2025年北九州市若松区が変わる 風光明媚な海岸を生かす
テレQ(TVQ九州放送)
北九州市の若松区。北九州市の北部にあり市内唯一の砂浜がある自然豊かな地域です。その一方で変化が著しい地域でもあります。そのポイントを取材しました。 風力発電の風車の土台が並ぶ北九州市若松区沖。2025年度に25基、洋上風力発電の風車が設置され、日本最大となる年間5億キロワットアワーの発電が可能になります。これは一般家庭、17万世帯分の電力量で北九州市の40パーセントの世帯を賄います。 ひびきウインドエナジー 笠原覚取締役 「日本の将来のカーボンニュートラルを考えた場合に、この事業っていうのは 必要不可欠なプロジェクトっていうことと認識しております。そういった部分に私たち貢献していきたいと思っておりまして、若松区の方の起爆剤になっていただければいいなという風に期待してます」 もうひとつ、エコの分野では、EVモーターズ・ジャパンが2025年4月からバスなどの商用電気自動車の生産を開始予定。国内では初めてEVバスを生産する工場です。新しい技術が投入されている若松区ですが、次に期待されているのが観光開発です。 若松区 奥野静人区長 「今年から若松は大きく変わると思います。期待しかありません」 何をやろうとしているのか。若松区の奥野静人区長が期待を寄せるのは、自然を観光資源として生かそうと2024年、北九州市が打ち出した規制緩和策です。 「いろんな観光資源があったのはあったんですが、それがこう、市街化調整区域ということで、なかなか生かしきれてないというのがありましたので、それが昨年の8月に規制緩和をして、今からやっと若松が動き出すという時期に来てるのかなと」 若松区の若松北海岸は、風光明媚な海岸ですが、市街化調整区域であるためホテルなどの建設を禁じられていました。しかし2024年8月、規制緩和によって観光施設に限って建設が可能になりました。 「ホテルであったり、飲食店であったり、物産店であったりとか、そういうものが建てられるようになりますので、ここで1日過ごしていただけるような観光地になるんじゃないかなという風に思ってます」 こうした流れの中、観光に期待を寄せる人々が、すでに動き出していました。2024年8月、北九州市は、規制緩和によって若松区の一部で観光施設の建設を可能にしました。若松北海岸に面したトゥモローコースト。2023年の4月にオープンしました。アメリカ西海岸をコンセプトとしたオーシャンビューのグランピング施設ですが、開発時はまだ規制があったため、移動が可能なトレーラーを使って事業を進めてきました。 トゥモローコースト 下川雅夫社長 「このままちょっと眠らせておくのがもったいないっていう思いでですね、皆さんに少しでもこの景色を見てほしいなと思いましたね」 特に下川社長が見てほしいというのは、夏場の夕日。カリフォルニアの夕日をイメージさせる景色です。規制緩和によって開発が進めば、この景色を多くの人に手軽に楽しんでもらえると考えています。 「北九州の観光地の1つのスポットとして、規制緩和もなってこれから糸島を越える観光地として、その一端を担えればと思ってます」 2024年12月のクリスマス時期のイベント。家族連れなどが多く訪れ、観光の可能性をうかがわせていました。 来場者 「景色もよくてきれいで海もきれいなのでいいところだと思います」 「最高ですね、海も見える」 「家に帰ったら周りの人に勧めたいと思います」 この場所は8年前までゴルフの練習場でした。その敷地の四分の一、4.5ヘクタールを活用。宿泊施設などは、現在トレーラーを活用していますが、規制緩和されたことで大規模な建物の建設も可能になったと言います。 「カフェとかサウナとか、建物で観光に特化したものの、なんか建物を建てたいなとは思ってます。うちの土地の中で、どこかが建てたいとかいうのがあれば、それは全然協力して、やっていきたい」 若松北海岸にある公園でも観光に力を入れる動きがあります。魚や野菜などを販売する直売所や、結婚式場などがあるこの公園。その一角で2025年3月、地元を盛り上げるイベントが行われます。2023年初めて開催したバイク祭りでは、約5000人が来場。3月のイベントは、若松区内の企業18社がタッグを組み、行政も加わって、若松をPRする予定です。 ひびき海の公園運営会社 早川誠総支配人 「北九州自体は各地でイベントをしてたが、まとまったイベントをするっていうところで、(若松区を)すごく知っていただくっていうところで、大変嬉しい」 北九州市民の間でも「行ったことがない」、「よく知らない」という声を聞く若松。美しい景色を活用して地域を生まれ変わらせることができるのか、今後の取り組みが注目されます。
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