イチロー「戦力外」の真偽
「イチロー戦力外」との地元報道があった。マリナーズのイチロー(44)は、本当にそういう立ち位置に追い込まれているのか? 先週の土曜日に右足首の捻挫で戦列を離れていたネルソン・クルーズがスタメンに復帰したが、今後、マイク・ズニーノ(左脇腹の張り)、ベン・ギャメル(右脇腹の張り)、リオン・ ・ヒーリー(右足首捻挫)ら、開幕前後に故障をしたレギュラーが続々と復帰する。 また、これまでうまく試合のない日が挟まったため、先発を4人で回していたが、13日(日本時間14日)から 17連戦がスタート。結果として17日(日本時間18日)に 5人目の先発が必要となり、アリエル・ミランダを上げた。 伴って今、マリナーズは大幅なロースターの入れ替えを迫られている。 17日(日本時間18日)、まずはミランダが上がったことで、内野のユーティリティだったテイラー・モッターがマイナーに降格した。 同じユーティリィティーのアンドリュー・ロマインという選択肢もあったはずだが、彼はマイナー行きのオプションがないので、簡単な話ではなくなる。また彼は昨年 9月のツインズ戦で投手を含む全ポジションについたこともあるスーパーユーティリティ。スウィッチ ヒッターでもあるので、チームとしてはロースターに残しておきたい ── そんな計算が働いたか。 ミランダにしても、登板後に降格することもありうる。彼はあくまでエラスモ ・ラミレスが戻ってくるまでのつなぎ。予定通りなら、本来の5番手であるラミレスが22日に戻ってくるので、ミランダをそのまま残す理由がない。その場合、9人目のリリーフをコールアップするか、モッターに代わるユーティリティタイプを呼ぶか。それが誰になっても22日(日本時間23日)にはいなくなる。 そして、おそらく20日(日本時間21日)までには正捕手のズニーノがスタメンに名を連ねるはずだ。代わって、デビッド・フレイヤスか、マイク・マージャマのどちらかが落ちることになる。 その前後に、まずはベン・ギャメル、続いてヒーリーが早ければ今週末、遅くとも来週中には復帰する見込みだ。 では、その2人が戻ったときに、どう25人枠を調整するかだが、まずは、8人目のリリーフ投手がマイナーに落ちると予想できる。チェース ・ブラッドフォードあたりがその候補だろう。ブルペンは通常、7~8人で回すので、大きな問題ではない。 あと一人に関しては、様々な憶測があり、そこで、「ひょっとしたらイチローが戦力外になるのでは」と一部地元メディアが報じたわけだが、マリナーズのジェリー・デュポト GM(ゼネラルマネージャー)は、先日、地元ラジオ局の取材に応じ、「ギャメルの復帰は、外野手がひとり増えるだけだ」と話しており、当面は、外野を5人で回す方針を口にしている。 であるとしたら、ダニエル・ボーゲルバック がマイナーに行く、という可能性が一番高い。彼の場合、パワーがあり、すでに2本の本塁打を放っているが、ポジションが一塁と指名打者に限られる。しかも左投手を苦手とし、汎用性に欠ける。 確かに、外野の5人は多い。地元メディアはそこを指摘しているわけだが、それは3月にイチローと契約した時点でわかっていたこと。今さらそこが問題となるとは ── 。