奈良岡功大 初五輪、メダルで父に恩返し 5月体調不良も完全復活/バドミントン
バドミントン男子シングルスでパリ五輪代表の奈良岡功大(22)=NTT東日本=が25日、東京都内で練習を公開した。1週間前に行われたオーストラリア・オープン(シドニー)で準優勝するなど状態は上向き。桃田賢斗(29)=NTT東日本=に代わる日本の新エースが、男子シングルス日本勢初のメダル獲得に挑む。 トレードマークのサラサラヘアをなびかせ、奈良岡が華麗にシャトルを操った。パリ五輪開幕まで1カ月となったこの日、所属先のNTTで練習を公開。自身初となるパリ五輪に向けては、自然体を強調した。 「5月に体調を崩してコンディションがあがっていない中、オーストラリアで準優勝できて感覚がつかめた。(五輪は)4年に一度の大会で、ずっと出たいと思っていた。初めてなので、あまり気負わず楽しんでいきたい」 ひたすら自分のプレーに集中する22歳。父の指導の下、5歳から競技を初め、同世代は敵なしだった。転機は23年8月の世界選手権(デンマーク)。銀メダルを獲得し、同種目の日本勢では18、19年大会覇者の桃田賢斗(29)=NTT東日本=以来2人目の表彰台に立ち、日本のエースに躍り出た。 幼少期から磨いてきたスキルと、底知れぬ体力が武器。5月に39度近い熱を出し、約3週間、本格的な練習を積めなかったが、オーストラリアOPでは準優勝。体力面がようやく回復し、1カ月後のパリ五輪に向けて準備も整いつつある。 「今は誰が勝ってもおかしくない。どこ(の山)に入っても変わらない。あとは自分のパフォーマンスをどこまで出せるか」。今も指導を仰ぐ父に最高の恩返しもするべく、夏の祭典で躍動する。(角かずみ) ■奈良岡 功大(ならおか・こうだい) 2001(平成13)年6月30日生まれ、22歳。青森・浪岡町(現青森市)出身。父の影響で5歳からバドミントンを始め、2018年ユース五輪銅メダル。22年ワールドツアーファイナルズでベスト4。23年世界選手権準優勝。浪岡中、浪岡高を経て日大卒。NTT東日本所属。1メートル73。家族は両親と妹。