「法律に抜け道が…」 平将明デジタル相の“巨額献金”が「厄介」と言われるワケ
発足したばかりの石破茂政権で初入閣した平将明デジタル相には、違法性が疑われる献金があった。 【写真をみる】毎年「遺影」を撮るという「平将明デジタル相」 今年の一枚は?
政治部デスクが解説する。 「公職選挙法は公共事業受注企業の選挙に関する寄付を、政治資金規正法は国や自治体から補助金や負担金などを受けている企業等の寄付を禁止しています」 現在、総務省が公開している政治資金収支報告書は、令和2年から4年までの3年分。平氏の政治団体である自由民主党東京都第四選挙区支部を調べたところ、禁止規定に抵触すると見られる企業や団体からの献金は3年で少なくとも延べ53社、金額は1200万円以上に達することが分かった。
「COCOA」開発会社から献金
最たる例が、IT企業のM社(東京都新宿区)だ。コロナ禍にあった令和3年、接触確認アプリ「COCOA」の保守開発を担った一社で、経産省のサイトには受注業務に〈令和3年度新型コロナウイルス接触確認アプリ等改修・運用・保守及びカスタマーサポート業務一式〉とある。所管官庁は厚労省、金額は3億8677万2100円である。 M社は令和3年6月に12万円を同支部に寄付しており、その4カ月後の10月には衆院選挙が、翌4年6月の寄付の1カ月後の7月には参院選挙があった。M社の寄付総額は36万円に上る。 「アプリの開発が決まった当時、平氏は内閣府副大臣として、その仕様決定に携わりました。アプリのリリースが始まった令和2年6月19日以降、積極的にメディアに露出して利用を呼びかけていました」 例えば、同年6月30日付の毎日新聞は平氏の〈厚生労働省だけでなく、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室、IT総合戦略室や関係各省、民間事業者も入れてさまざまな視点から検討し、日本に適したアプリを目指した〉との見解を写真付きで紹介。自身が策定に関与した事業だと誇らしげに披瀝していた。 当時はホテル業界も経営が悪化。そんな中、令和2年4月以降に厚労省や農水省などに全国の施設を借り受けてもらったのがホテルチェーンのT社だ。同社は令和2年から3年間で、同支部に360万円を寄付している。