『かまいたちの夜』30周年。真冬のペンションで巻き起こる殺人事件が題材のサウンドノベル。選択肢による多彩な分岐も話題を集めた【今日は何の日?】
※本記事は、2023年11月25日にアップした記事を再編集したものです。 “あなたのせいで、死体が増える”というキャッチコピーが秀逸なサウンドノベル第2弾 【記事の画像(4枚)を見る】 1994年(平成6年)11月25日は、スーパーファミコン用ソフト『かまいたちの夜』が発売された日。本日で発売から30周年を迎えました。 『かまいたちの夜』はチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)から発売されたサウンドノベルの第2弾。サウンドノベルは小説をベースに背景やサウンドを追加したもの。絵や音の演出が追加されることで、作品の臨場感が増すのが特徴です。また、文章の途中に選択肢があり、その選択によって物語が分岐するのもポイント。ゲームをクリアーすることで選べる選択が増えたりするなど、ゲームならではのおもしろさが詰まっています。 サウンドノベル第1弾の『弟切草』はホラーでしたが、『かまいたちの夜』は雪で閉ざされた山荘を舞台にしたミステリー作品。当時、『殺戮にいたる病』で脚光を浴びたミステリー作家の我孫子武丸さんがシナリオを手掛けたことでも話題となりました。 『弟切草』から進化したポイントとしては、登場人物が青い影のシルエットで表現されるようになったところ。これによって多彩な表現が可能になり、より想像力を膨らませられるようになりました。 『かまいたちの夜』は前述したように雪山で起きる不可解な事件の謎を解き明かすサウンドノベル。キャッチコピーの“あなたのせいで、死体が増える”という言葉が指し示す通り、正しい選択肢を選ばなければ、つぎつぎと殺人事件が巻き起こってしまいます。 プレイする前は「前作と違って人間が犯人だとわかっているなら怖くないハズ」と思っていた自分ですが、“どこに潜むかわからない殺人鬼”や“恐怖で疑心暗鬼に陥ってしまった人々”に怯えさせられましたね……。 ミステリー小説であれば名探偵が事件を解決してくれますが、自分で推理をして真相を暴かないとハッピーエンドを迎えられないところがゲームならではで新鮮でした。通常は選択肢で物語を選びますが、犯人を指摘するときは“犯人入力画面”で名前を直接入力するのもドキドキでした。 用意されているバッドエンドも、大阪の会社に就職するものなど、バラエティーに富んでいます。ヒロインと悲劇的な結果になるエンディングがトラウマになってしまった人も多いのではないでしょうか? 自分は当時、好きだった女の子の名前をヒロインに付けてプレイしていたので余計にショックでした(苦笑)。 メインとなる“ミステリー編”をクリアーした後は、追加された選択肢から“悪霊編”や“スパイ編”といったサブシナリオが楽しめるようになりました。本編ではいい人だった人が極悪人になっていたり、その逆のパターンもあったりと、新鮮な感覚で新たな物語を楽しめました。 そして、なんといっても“宝探し編”。まさか●●●を●●●●することで真相が明らかになるなんて! 当時はこの仕掛けに驚きましたね~! 『かまいたちの夜』は複数のハードに移植されています。ゲーム内の劇中で流行しているテレビドラマが異なるなど、それぞれテキストが変更されたりもしているので、比べてみるのもおもしろいと思います。 今年(2024年)9月19日には、Nintendo Switch、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)向けに『かまいたちの夜×3(トリプル)』が発売されました。シリーズの第3作目『かまいたちの夜×3』のリマスター版で、初代『かまいたちの夜』メインストーリー『ペンション“シュプール”編』、『かまいたちの夜2』のメインストーリー『監獄島のわらべ唄編』、そしてシリーズ3作目にあたる完結編『三日月島事件の真相編』の三部作が収録されているので、いま遊びたい方はこちらがおすすめです。 『かまいたちの夜』を含むチュンソフトインタビュー ※画面には一部バーチャルコンソール版とNintendo Switch版が含まれています。