『香港映画祭2024 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力』ビジュアル

11月に東京・大阪・福岡で開催される『香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力』のラインナップと上映スケジュールが発表された。 【全ての画像】『香港映画祭』上映作品 本映画祭は、2022年に香港特別行政区設立25周年を記念してスタートし、才能豊かな新人監督作品や今なお輝きを放ち続けるクラシックの名作など、選りすぐりの香港映画を上映。今年は初の複数都市での開催が決定し、東京は11月1日(金) から11月4日(月) までYEBISU GARDEN CINEMA、大阪は11月9日(土) から11月11日(月) までテアトル梅田、福岡は11月15日(金) から11月17日(日) までユナイテッド・シネマ キャナルシティ 13にて開催される。 全11作品のうち本映画祭が日本初上映となる新作映画は4作品。アーロン・クォック、ラム・カートン、リッチー・レンの3人が出演した犯罪アクションコメディ『臨時強盗』、マッチングアプリで出会った相手に騙されながらも、その“嘘”によって再生していくひとりの女性の姿をコミカルかつ爽やかに描いた『ラブ・ライズ』、俳優として数多くの香港映画に出演するニック・チョンが監督・主演を務めたスリラー『贖罪の悪夢』、香港アクション映画に不可欠なスタントマンたちの血と汗と涙の物語『スタントマン』と、話題作がお披露目される。 オープニングを飾るのは、マイケル・ホイとダヨ・ウォンという香港エンターテインメント界を代表するふたりのコメディアンが共演し、今年の東京国際映画祭でのジャパンプレミアが決定した『ラスト・ダンス』。そして、香港映画観客動員数第1位を記録（※2024年9月現在）した『トワイライト・ ウォリアーズ 決戦！九龍城砦』、昨年の東京国際映画祭で上映された『離れていても』と『バイタル・サイン』、サミー・チェンが香港のアカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨で最優秀主演女優賞を受賞し、大阪アジアン映画祭2023でも上映された『流水落花』もラインナップに。 また、昨年の本映画祭でワールドプレミアされた新人アンディ・ロー監督作『ブルー・ムーン』の再上映、名匠スタンリー・クワンが、香港・中国・台湾からニューヨークにやってきた3人の女性の感情の機微を繊細に描いた名作『フルムーン・イン・ニューヨーク』のデジタルリマスター版の日本初スクリーン上映も決定した。 さらに、東京・六本木、大阪・梅田、福岡・六本松の蔦屋書店にてポスター展が開催されるほか、香港往復航空券プレゼントキャンペーンの実施も予定されている。 ＜イベント情報＞ 『香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力』 ■東京 2024年11月1日(金)～4日(月) 会場：YEBISU GARDEN CINEMA ■大阪 2024年11月9日(土)～11日(月) 会場：テアトル梅田 ■福岡 2024年11月15日(金)～17日(日) 会場：ユナイテッド・シネマ キャナルシティ 13 【上映作品】 ※東京・大阪・福岡で上映作品が異なります ■『ラスト・ダンス』※オープニング作品 東京：11月1日(金) 18:30～ 大阪：11月11日(月) 15:40～ 監督：アンセルム・チャン（陳茂賢） 出演：ダヨ・ウォン（黄子華）、マイケル・ホイ（許冠文）、ミシェル・ワイ（衛詩雅）、チュー・パクホン（朱栢康） 疫病が猛威をふるい経済が低迷するなか、葬儀社に転職したダオシェン（ダヨ・ウォン）。当初は先輩のマン（マイケル・ホイ）と衝突するダオシェンだったが、彼と仕事をするうちに人生観に変化が生まれていく。ダヨ・ウォンとマイケル・ホイ、香港映画界の二大コメディアンが『マジック・タッチ』(1992) 以来32年ぶりに共演とあって、撮影時から大きな話題となっている注目作。原題の「破地獄」とは、故人の霊を地獄から救い出すための道教の儀式を意味している。 ■『臨時強盗』※日本初上映 東京：11月4日(月) 13:30～ 大阪：11月10日(日) 18:30～ 福岡：11月15日(金) 20:30～ 監督：アルバート・マック（麥啟光） 出演：アーロン・クォック（郭富城）、ラム・カートン（林家棟）、リッチー・レン（任賢齊）、マギー・チョン（張可頤） 身重の妻と母親の嫁姑問題や住宅事情に悩まされるタクシー運転手（ラム・カートン）と、老人ホームを営むシングルファーザーのファイ（リッチー・レン）の兄弟は、人生を変えるべく強盗を企む。だが、強盗用の拳銃の入手に失敗し、さらに元レスリング選手のプロの強盗（アーロン・クォック）が奪った大金を兄弟が手違いで手に入れてしまったことから、3人は思いがけずチームを組む羽目に……。今年2024年の旧正月に公開された軽妙な犯罪アクション。 ■『ラブ・ライズ』※日本初上映 東京：11月3日(日) 13:50～ 大阪：11月9日(土) 18:15～ 福岡：11月17日(日) 17:30～ 監督：ホー・ミウケイ（何妙祺） 出演：サンドラ・ン（呉君如）、マイケル・チャン（張天賦）、チャン・ファイフォン（陳輝虹）、ステフィー・タン（鄧麗欣） 夫と死別した婦人科医ベロニカ（サンドラ・ン）は、25歳と偽ってマッチングアプリに登録し、55歳のフランス人・アランと出会いSNSで愛を育むが、彼の正体はロマンス詐欺集団の一員だった。サンドラ・ンが恋の高揚感、愛の喪失と孤独を熟練の演技で魅せる、コミカルで後味爽やかな再生の物語。人気アーティスト、「MC」ことマイケル・チャンが詐欺師を好演。チャウ・シンチーの『人魚姫』の脚本を務めたホー・ミウケイの初監督作。 ■『贖罪の悪夢』※日本初上映 東京：11月2日(土) 16:40～ 大阪：11月9日(土) 15:40～ 福岡：11月16日(土) 20:30～ 監督：ニック・チョン（張家輝） 出演：ニック・チョン（張家輝）、テレンス・ラウ（劉俊謙）、ファラ・チャン（陳法拉）、ベン・ユエン（袁富華） 精神科医のマン（テレンス・ラウ）のもとにやってくる患者は、自身の不安やトラウマからくる悪夢に苛まれていた。患者のひとり、不眠症で事故を起こしたタクシー運転手のチョイ（ニック・チョン）をカウンセリングしたマンは、チョイの悪夢は、金融危機時代、友を裏切った罪悪感によるものだと分析する。“怖い夢”を視覚化したショッキングな映像の数々が強烈な印象を残すスリラー。俳優として数多くの香港映画に出演するニック・チョン監督作。 ■『スタントマン』※日本初上映 東京：11月2日(土) 13:50～ 大阪：11月10日(日) 15:40～ 福岡：11月16日(土) 17:30～ 監督：アルバート・レオン（梁冠堯）、ハーバート・レオン（梁冠舜） 出演：テレンス・ラウ（劉俊謙）、トン・ワイ（董瑋）、フィリップ・ン（伍允龍）、セシリア・チョイ（蔡思韵） 香港アクション映画に不可欠なスタントマンたちの血と汗と涙の物語を、共にアクション俳優であるアルバート・レオン＆ハーバート・レオンのふたりが初監督。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦！九龍城砦』で人気が爆発したテレンス・ラウ、フィリップ・ンが競演するほか、『燃えよドラゴン』にも出演した俳優で、現在はベテランのアクション監督として知られるアクション界のレジェンド、トン・ワイの久々の映画出演も大きな話題となっている。 ■『トワイライト・ウォリアーズ 決戦！九龍城砦』 東京：11月2日(土) 10:40～ 監督：ソイ・チェン（鄭保瑞） 出演：ルイス・クー（古天樂）、サモ・ハン（洪金寶）、リッチー・レン（任賢齊）、レイモンド・ラム（林峯） 80年代の香港。“悪の巣窟”と呼ばれる無法地帯、九龍城砦を取り仕切るロンギュンフォン（ルイス・クー）は、黒社会とトラブルを起こした不法移民のチャン（レイモンド・ラム）を匿い、その結果九龍城砦は激戦の場となる。ベテランから若手まで多彩なキャストと彼らが織りなす情と義理のドラマ、アクション監督・谷垣健治によるダイナミックで流麗なアクション、壮大なセット美術など見どころ満載。香港映画歴代動員数第1位（2024年9月現在）に輝いた大ヒット作。 ■『離れていても』 東京：11月3日(日) 11:00～ 監督：サーシャ・チョク（祝紫嫣） 出演：ウー・カンレン（呉慷仁）、サーシャ・チョク（祝紫嫣）、アンジェラ・ユン（袁澧林）、ヨーヨー・ツェー（謝咏欣） 湖南省から香港に渡ってきたユェンとチュエの姉妹とその家族の物語を、香港が中国に返還された1997年、2007年、2017年の3部に分けて描く。移民家族の20年に香港社会の変遷を映した感動作。監督・脚本のサーシャ・チョクは、2017年のユェン役として出演もしている。2007年のユェンを演じたヨーヨー・ツェーは本作の演技により第42回香港電影金像奨など数々の映画賞で最優秀新人賞に輝いた。 ■『バイタル・サイン』 東京：11月3日(日) 16:40～ 監督：ヴィンシー・チェク（卓韻芝） 出演：ルイス・クー（古天樂）、ネオ・ヤウ（游學修）、アンジェラ・ユン（袁澧林） 出世を望まない現場主義の救命士のマー（ルイス・クー）は、幼い娘をもつシングルファーザー。義父母の勧めもありカナダへの移住を考えているが、持病がある彼には申請がおりない。それでも粛々と仕事に向き合い、マニュアルを無視してでも人命を救おうするマーの姿は、出世至上主義の後輩（ネオ・ヤウ）の心を動かしていく。香港の救命士たちへのリスペクトをこめつつ、主人公マーと彼をとりまく人たちの人間模様を綴ったドラマ。 ■『流水落花』 東京：11月4日(月) 11:00～ 監督：カー・シンフォン（賈勝楓） 出演：サミー・チェン（鄭秀文）、アラン・ロク（陸駿光）、ヘドウィグ・タム（談善言） ティンメイ（サミー・チェン）とバン（アラン・ロク）夫妻は、引き取り先が決まるまでの一時的な里親としてさまざまな子どもを受け入れ養育している。実の我が子を幼くして失い、夫婦の関係性は壊れかけていたが、里子たちとの触れ合いのなかでふたりが再生していくさまを描く。新人発掘プロジェクト「オリジナル処女作支援プログラム」入選の脚本に惚れ込んだサミー・チェンが本作にノーギャラで出演。香港電影金像奨最優秀主演女優賞を受賞した。 ■『ブルー・ムーン』 福岡：11月17日(日) 20:00～ 監督：アンディ・ロー（羅耀輝） 出演：グラディス・リー（李靖筠）、ピーター・チャン（陳湛文）、ロレッタ・リー（李麗珍） コンビニで働く娘、妻との別居を隠している息子と彼らの母。それぞれに秘密を抱える家族の再生を描く。アーティストとしても活躍するグラディス・リーと、記録的な大ヒットとなった『6人の食卓』で一躍人気俳優となったピーター・チャン演じる兄妹を女手ひとつで育ててきた母親役に、『最後勝利』など80～90年代の香港映画で活躍したアイドル出身の俳優ロレッタ・リーが扮し、中年の諦念をにじませて好演。 ■『フルムーン・イン・ニューヨーク』※デジタルリマスター版日本初上映 東京：11月4日(月) 16:10～ 監督：スタンリー・クワン（關錦鵬） 出演：マギー・チャン（張曼玉）、シルヴィア・チャン（張艾嘉）、スーチン・ガオワー（斯琴高娃） 舞台はニューヨーク。この街に長く暮らす台湾出身の女優（シルヴィア・チャン）、レストラン経営や投資など仕事では成功するも恋愛には縁が無い香港出身のビジネスウーマン（マギー・チャン）、結婚のため中国からやってきた花嫁（スーチン・ガオワー）。それぞれ立場の異なる3人が偶然出会い、異国での疎外感や孤独を共有する。女性の心理を繊細に、巧みに描写することに定評のあるスタンリー・クワン監督によるシスターフッド映画の名作。