五箇山→富山湾、富山県西部を歩こう 南砺・プレイアースパーク構想、県内初のロングトレイル整備
2027年初夏に富山県南砺市の桜ケ池周辺で開業予定の自然体験施設「プレイアースパーク」の運営会社は18日、五箇山地域から富山湾までの県西部を歩いて巡る「ロングトレイル」の構想を市役所で発表した。世界遺産の合掌造り集落や国宝の瑞龍寺と勝興寺、散居村の風景など優れた文化や自然を生かし、県内初となるロングトレイルコースを整備する。広域観光を進め、インバウンド(訪日客)を含む新たな誘客につなげたい考えだ。 プレイアースパークを整備するゴールドウインの子会社「プレイアースパーク」の木村宏社長が、南砺市内の観光、山岳関係者、地域代表、県西部の市職員ら約50人を前に説明した。 同社によると、歩くことを目的とするロングトレイルのコースは国内に数十カ所あるが、県内にはない。木村社長は、長野と新潟の県境に連なる全長110キロの「信越トレイル」の構想・整備に関わった経験があり、経済波及効果が見込めるトレイルが県西部の新たな観光資源になればと、構想を打ち出した。
構想のきっかけとなったのが、南砺市内の山岳古道「道宗道(どうしゅうみち)」(全長約30キロ)の保全に取り組む市民団体「道宗道の会」の取り組み。五箇山に浄土真宗の教えを広めた赤尾道宗が、井波別院瑞泉寺に詣でるために歩いたとされる山道に道標を整備するなどの活動を続けており、道宗道を含めたルートを検討している。 出席した田中幹夫南砺市長は「新たな誘客につながる」と歓迎。道宗道の会の楠則夫会長(75)は「地域みんなで盛り上げ、実現させたい」と期待した。 今後は、県西部の各市や地元の合意が得られれば、具体的なルートや管理団体の検討に入りたい考え。木村社長は「地域の人と一緒にルートをつくっていきたい」と話した。