トレーダーがFRBの金利見通し無視、利下げで恩恵の株式に資金流入
アトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」は4-6月(第2四半期)の実質国内総生産(GDP)伸び率が年率3.1%と、前四半期の同1.3%から加速すると推定しており、堅調な米経済成長が続くというのが大方の見方だ。
BMOファミリー・オフィスのキャロル・シュライフ最高投資責任者(CIO)は景気がかなり減速する「バンピーランディングとなる兆候は今のところほとんど見られない」と述べた。
テクノロジー株に追い風
ファンドマネージャーもテクノロジー株へのエクスポージャーを増やしている。大手ハイテク株の比重が大きいナスダック100指数は今年に入って17%上げている。ブルームバーグ集計データによると、S&P500種の時価総額上位7位の銘柄株価収益率(PER)は平均36倍と、ベンチマークの22倍を上回っている。
ドイツ銀行がまとめた6月14日終了週のデータによると、株式ポジションの総額はナスダック100がピークに達した21年11月以来の水準に達している。
既定のガイドラインやアルゴリズムに基づいて投資判断を下すルールベースの投資家や裁量投資家が今週の急騰をけん引した。テクノロジーセクターのほか、公益事業や生活必需品、不動産といった金利の影響に敏感なセクターのポジションも大幅に増加した。
USバンク・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏はFRBが明確なハト派スタンスを採用した場合、生活必需品や不動産など、配当が安定したディフェンシブ銘柄の魅力も増すだろうと指摘した。
6月は通常、夏に向けて出来高が減り市場が落ち着く時期だが、来週は個別株および株価指数のオプションの満期と指数先物の期限が重なる四半期に一度の「トリプルウィッチング」を迎えることから短期的にポジショニングが混乱する可能性がある。
原題:The Market Is Blowing Off What the Fed Is Saying About Rates(抜粋)