時短勤務が使えなくなる「3歳」が分岐点…共働き夫婦の子どもは「保育園一択」ではない【ライフキャリアコンサルタントが解説】
共働き夫婦が増えるなか、子どもを身近な人でみてくれる人がいない場合は、施設へ預ける必要があります。そのとき、多くの人は「共働き=保育園」という選択肢で考えるかもしれません。本記事では、ライフキャリアコンサルタントの江野本由香氏が、共働き夫婦の子どもにおける幼児期の環境について解説します。 都道府県「子どもの教育費」ランキング…
保育園と幼稚園の違い
保育園も、幼稚園も、未就学児が通うところとしては同じですが、保育園は「家庭において保育できない乳児や幼児を家庭に代わり保育する」ことを目的とした、厚生労働省の管轄。幼稚園は「教育」を目的とした、文部科学省の管轄と違いがあります。同じようで主目的が違うこともあり、いくつか違いがあるのです。 まず、先生がもっている国家資格が違います。保育園は「保育士※1」、幼稚園は「幼稚園教諭※2」の資格。 ※1 厚生労働省管轄の「児童福祉法」にもとづく国家資格を持ち、0歳の乳幼児から世話をする ※2 文部科学省管轄の「教育職員免許法」にもとづく教員免許を持ち、3歳の幼児からに教育的指導を行う ほかには先生の配置基準も違います。開所時間も違いますし、通える年齢、保護者に対する対応、食事も違います。保育園は0歳から通うことができ、家庭で保育ができないことが前提なので、保護者が園の活動にかかわることはあまりありません。認可保育園の場合は原則、給食です。 一方、幼稚園は3年保育が主流で、通いはじめられるのは3歳からです。保護者がかかわることが前提のところが多いので、園へ行ったり、保護者同士で何か活動したり、付き合いも濃い傾向にあります。お弁当か給食かは園が任意で決めています。 近年では少子化の影響もあり、幼稚園の預かり保育も充実。内閣府管轄の「認定こども園」といった、幼稚園と保育園の両方の機能をもった施設も増えてきています。 未就学児が通うのは義務教育ではありませんから、保育や教育の内容は設置の違いだけに限らず、それぞれの園で特徴があります。