間宮祥太朗が一目置く同世代の人気俳優「出ている作品や残している演技を見て、“良い俳優だな”と思います」
15歳で俳優デビューを果たした間宮祥太朗。以降、コメディからシリアスまで幅広く役をこなし、2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で永野芽郁演じるヒロインの夫役で朝ドラ初出演、2020年には『麒麟がくる』で大河ドラマ初出演を果たした。2020年以降は出演したドラマの多くで主役を演じるなど、いま実力派若手俳優の一人を担っているのは誰もが認めるところ。そんな間宮さんにとってのCHANGEを訊いてみた。【第3回/全3回】 ■【画像】砂時計を手に凛とした表情を見せる間宮祥太朗 2008年から俳優として本格的に始動した間宮さん。10代の頃は共演者のことをライバル視していた部分もあった、とか。 「特定の誰かに対して、“あいつには負けない”とか“あいつより俺の方が……”と思っていたわけではなくて、例えばオーディションに行った時に10個のパイプ椅子が並べられていたら、自分以外の9人に対してだったり、学園ものの時は当時の自分と同じくらいの立ち位置にいるであろう共演者に対してそう感じていたんだと思います」 そんな意識もキャリアを積むことによって少しずつ変化が生まれてきた。 「共演者が敵やライバルではなく、同じ作品を作るうえでの仲間だということや、色々と影響しあったり、純度が高い繋がりを表現できる関係だということに段々と気付いていきました。そういう意識的な変化はゆるやかですが、二十歳になる前くらいに俳優の玉置玲央さんと舞台で共演させてもらったことは大きなきっかけになっています」
昔から仲野太賀は良い俳優だと思っている
現在、負けたくないと思う様なライバル視している俳優はいますか? と尋ねると、5秒ほど考えて、 「負けたくない……というモチベーションではないですけど、昔から仲野太賀はやっぱり良い俳優だと思っていますね。付き合い始めて、もう15、6年になるんですけど、それは最近でも思います。ただ、お互いに認識しているんですが、同じ役柄を食い合うような感じではないっていう部分があるので(笑)、彼の出ている作品や彼が残している演技とかを見て、“良い俳優だな”と思いますね」 同じく10代の頃には、生き急ぐ感も抱いていたと語っているが。 「それは、いつの間にか無くなりましたね(笑)。無くなるきっかけも特には無かったです」 俳優を始めて15年が経ち、現在は31歳。 「これから求められる役回りも変わってきますし、自分が演じることになる役の質も変わってくると思うんです。10代の頃は学生ものが多かったですし、20代の時に演じた役も新入社員だったり、フレッシュな感じでした。若いからこその強さと、それこそ生き急いでいる感じとか、可愛がられる感じとかがあったと思うんですけど、40代、50代になったら作品の重心になるような存在感を求められると思うんです。自分が見ていても思うのは、その方の半生を知っているわけじゃないのにこれまで色んな景色や人や感情と出会ってきたんだろうな”と感じる部分で、人としての “厚み”を表現できるようになっていけたらというのは漠然とありますね」 ──年齢や経験と共に自然とにじみ出てくる雰囲気? 「そうですね。でも、やっぱり経験だったり、何かに触れたり、その結果として何を思ってどう感じたかというところに繋がってくると思うんです。そうなるためにも自ら、どこかに足を運んだり経験を積むことが必要になってくるんだと思います。にじみ出てくるものって“結果論”として、だと思うので」 普段、間宮さんの場合、一視聴者目線ではあるが、画面やスクリーンからはクールさやニヒルさがダイレクトに伝わってくる。取材の時もふざけたり、緩んだりとは無縁な様にさえ感じられた。プライベートでもそんな感じなのだろうか。 「むしろそれ(ふざけたりとか)しかないです。今日は取材だからちゃんとしています(笑)。『ACMA:GAME』でも休憩中はずっと(初役の田中)樹とふざけていて、常に真面目という感じでは無かったですね。もちろん、撮影中はビシッとなります」 間宮さんはどこまでもプロフェッショナルなのだ。 間宮祥太朗(まみや・しょうたろう) 1993年6月11日、神奈川県生まれ。O型。2008年、ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。17年、『全員死刑』で映画初主演を果たす。18年に放映されたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で注目を集める。20年にはNHK大河ドラマ『麒麟がくる』に出演し、22年に主演ドラマ『ナンバMG5』で「第47回エランドール賞新人賞」を受賞。主な出演作に『ファイトソング』、『真夏のシンデレラ』などのドラマや『破戒』、『ある閉ざされた雪の山荘で』、『変な家』などの映画がある。 鈴木一俊
鈴木一俊