【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース
(ブルームバーグ): 2月の米消費者物価指数(CPI)統計ではインフレの根強さが示唆されました。市場では6月の利下げ開始が予想されており、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も先週の議会証言で、利下げ開始に必要な確信は「今から遠くない」将来に得られるとの考えを示しています。ただ想定を上回るインフレが今後も続けば、当然議長をはじめ当局者の見解が変わることもあり得ます。また利下げ開始にはインフレ鈍化が広がりを見せることが望ましいと考える当局者もおり、今後のデータ次第では連邦公開市場委員会(FOMC)で見解の相違が深まる可能性もありそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
利下げ慎重論を補強
2月のCPI統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月に続き、市場予想を上回る伸びを示した。利下げに対する米金融当局の慎重姿勢を補強する内容となった。コアCPIは前月比0.4%上昇(市場予想0.3%上昇)、前年同月比では3.8%上昇(予想3.7%上昇)だった。チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「今回のCPIは恐らく、政策をもうしばらく据え置く根拠と見なされるだろう」と指摘した。
航空会社も混乱
米ボーイングの信頼性を巡る危機は、同社製の機体を購入する航空会社にも波及しつつある。ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスやサウスウエスト航空、デルタ航空、アラスカ航空などが集まった12日の業界会合では、ボーイングの問題が各社のビジネスにどう影響を及ぼしているかについての話が多く聞かれた。最も顕著だったのは、ボーイングの生産が滞っていることで、航空会社が以前から運航を計画していた機体が不足していることだ。
引き上げの根拠なし
モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、年末のS&P500種株価指数の予想を4500で据え置いた。ウォール街で米国株への楽観的な見方が強まっているが、ウィルソン氏は広範にわたる利益の伸びが見られないと指摘。見通しを引き上げる正当な理由は見当たらないとしている。同氏の見通しは、S&P500種の前日終値である約5118を12%程度下回る水準だ。ブルームバーグが追跡したウォール街のストラテジスト予想平均値(4915)と比べると8%低い。