ドイツ首相、総選挙のさらなる前倒し「問題ない」 連立政権崩壊
連立政権が崩壊したドイツのショルツ首相は10日、公共放送ARDの番組で、連邦議会(下院)に対し信任決議案を提出する時期について「クリスマス前でも全く問題ない」と述べた。 ショルツ氏はこれまで、来年1月に信任決議案を提出し、予定より半年前倒しとなる3月にも総選挙を実施する考えを示していたが、さらに前倒しする可能性に言及した形だ。 ドイツ政府はショルツ氏の社会民主党(SPD)と緑の党、自由民主党(FDP)の3党が連立を組んでいたが、来年度の予算編成を巡る対立から6日、FDPが連立を離脱した。連立政権は過半数に達しない少数与党となり、ショルツ氏は野党連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)に重要法案の成立への協力を求めたが、CDUのメルツ党首はすぐに信任決議案を提出するよう要求。与党の一部からも前倒しを求める声が上がっていた。 ドイツでは首相が提出した信任決議案が否決された場合、大統領が21日以内に連邦議会を解散し、解散から60日以内に総選挙を実施する。【ベルリン五十嵐朋子】