夢のマイホームが"カビ"だらけ…問題の施工業者「責任はない」 欠陥住宅のトラブルが7倍に
床下の悪い空気が空調されないまま部屋の中へ…
吸い上げた空気が出ているはずのエアコン横の穴は、ほとんど機能していません。代わりに、床や壁の隙間から、床下の空気が直接流れ込んでいると考えられます。キッチンの配管付近を確認すると、床下の空気が隙間から流れ込んでいました。長井さんは隙間に風速計をあてると、風速は秒速0.14メートル。通常だと、隙間が塞がれていれば0メートルだそうです。 壁の換気口を外してみると、ここも一面のカビです。 (長井良至1級建築士) 「カビだらけで、床下の空気が勢いよく出ています。カビの胞子と、後は大量の水蒸気です」 (鈴木さん【仮名】) 「床下がカビだらけで、その空気が出ている。言葉が出ないです」 長井さんによると、換気システムの杜撰(ずさん)な取り付けで、床下の質の悪い空気が空調されないまま、部屋の中に溜まっていき、環境を悪化させている可能性が高いとのこと。 一般家庭の1か月の電気代の平均額は約1万2000円(2023年 3人世帯 総務省調べ)ですが、鈴木さん宅は12万5000円(2023年1月)もかかっているそうです。 トイレの換気扇は、取り付け間違いで外気を吸い込み、外から中に風が入ってきます。家の基礎には隙間も見つかりました。
契約時は「無資格」 施行業者に事実確認するも「責任はない」
鈴木さんが施工業者を役所で調べてみると、「建設業」の認可すら受けていなかったことが分かりました。 (鈴木さん【仮名】) 「(契約当時は)施工業者は無資格だった。行政の方で登録されていなかった」 (長井良至1級建築士) 「建設業法違反なので、本来請け負ってはいけない。違法行為です」 問題の施工業者に事実確認すると、建設業の認可については、その後、県の指導を受けて取得していました。しかし、家のカビについては「自分たちに落ち度があれば対応するが、換気システムは販売元の指導のもと施行しているので、責任はない」と主張します。 換気システムの販売元は、「あくまで換気システムを販売しているだけで、施工内容は把握していない」と食い違いを見せました。 鈴木さんは業者に、家の買い取りと謝罪を求めることを決めていると話します。 (鈴木さん【仮名】) 「早く、この家を出たい。(施工業者との)溝は埋められない。信用ができない」 「このような思いをする人が増えていくかもしれないので、家を建てないでほしい」 CBCテレビ「チャント!」8月27日放送より
CBCテレビ