「南房総レモン」初出荷 JA安房がブランド化(千葉県)
JA安房は、同JAで取り扱う地場産のレモンを新たに「南房総レモン」と名付けた。国産レモンへの注目が高まっていることから、地域の新たな「JA安房ブランド」とする狙い。今季初出荷となった17日は、南房総市の同JA丸山支店に3軒の農家が55箱(1箱10キロ入り)を持ち込んだ。 JA安房によると、食への安全志向の高まりを受け、近年、国産レモンの引き合いが強くなっているという。安房地域は、南房総市を中心に、県内最大のレモンの産地。県が環境保全や食の安心安全に配慮した農産物に認証を与える制度「ちばエコ農産物」の認証を受けていることも含め、特産品としてアピールしようとブランド化した。 安房地域のレモンの出荷シーズンは10月に始まり、11月半ばから本格化。2月ごろまで続く。10、11月は緑色のグリーンレモン、12~2月は黄色のレモンの時期となる。同JAのレモンの出荷量は、令和元年房総半島台風の被害で一時落ち込んだものの、昨季は約43トンに回復。今季は新規農家も参入し、約50トンを見込んでいるという。 この日最初に出荷したJA安房丸山柑橘部会の尾形茂樹さん(78)は、20箱を持ち込んだ。尾形さんは「酸味のバランスが良く、ちばエコ農産物なので安心安全。食卓の彩りに取り入れてもらえたら」と笑顔を見せた。 JA安房広報担当の諏訪優さんは「果汁だけでなく、加工品など無限の可能性を秘めている。多くの人に安房の恵みを楽しんでもらえたら」と話した。 (前木深音)