『相棒』史上最高のスペシャル回は? 最も面白い神回(1)想定外の展開にハラハラ...名脚本家の腕が光る傑作
ドラマ『相棒』が元日SPをやっている事を知っているだろうか。『相棒』ではSeason4から現在のseason23まで19年以上正月の夜に放送されている。2時間以上の放送尺、正月の特別枠という事で例年気合いが入った物語が展開されており、見応えのある作品も多い。今回はその中でも評価の高い5本とその見所を紹介しよう。第1回。(文・naoki)
season5『バベルの塔』(2007)
小野田「あけましておめでとう」 大晦日に富永議員が主催する年越しパーティーの警護を担当する事になった特命係。議員はここでSPである楓との婚約発表を行うつもりであり、彼女の娘でもある耳が聴こえない少女はるかを招いていた。しかしテロリスト「赤いカナリア」を名乗る男にはるかが誘拐されてしまう。楓は「年越しまでに富永を殺さなければはるかを殺す」と脅迫を受ける。事態を察知した特命係ははるかの救出と楓による籠城事件の2つを解決する為に動き出す。 本作は元日SPの中でも屈指の完成度と正月らしさが詰め込まれている。刻一刻と近付くカウントダウンの中で右京の推理が光り亀山も熱く立ち向かう。それだけではなく大河内監察官が指揮官としてテストをされていたり、捜査一課や米沢などレギュラー陣も大活躍する。 そして本筋のドラマも想定外の展開が続き、謎とハラハラに満ちている。何よりも楓とはるかと元夫である和久井の家族3人の絆など、サスペンスの中に人情も盛り込まれているのが格段に素晴らしい。 ただ犯人達のバックボーンなど『相棒』らしく、考えさせられる要素も多分に含まれている。その上で全部見終わった後に「あけましておめでとう」と言いたくなるのは間違いない。こちらを描いたのは『リーガル・ハイ(2012~2014)』や『コンフィデンスマンJP』(2018)を執筆し、今最も忙しい脚本家の1人である古沢良太氏なので、彼のファンの方にも是非見てほしい珠玉の名作だ。 (文・naoki)
Naoki