「男性がうらやましいこともある」芸人と母親の両立でキンタロー。さんが感じること
29歳でお笑いの道に入り、間もなく大ブレイクしたキンタロー。さん。 現在もお笑いで第一線を走りつつも、最初のころは「本当に戦いだった」と言います。そんな戦場に身を置きながらも、ママとしての一面も。 お笑いと母親。そのバランスはどのようにとられているのでしょうか。
芸能界に椅子はひとつしかない
ブレイクしたものの、周りからは「それは一発の出方だ」と言われたというキンタロー。さん。 ご自身も「すぐに出ちゃったものだから、引き出しもなくて」と言います。 「ブレイクしてからは本当に戦いですよね。養成所に『いい? あんたたち。芸能界の椅子は1個しかないんだよ』って言うボイトレの先生がいて。『これが芸能界の椅子だと思いなさい!』って本当に椅子とりゲームをさせられたことがあったので(笑)、それがすごく印象に残っていますね。うかうかしてられない、だって椅子はひとつで、芸能界は椅子とりゲームだから」
「本当に男性がうらやましい」
その中で、女性にとって、どうしても立ちはだかる課題が出産と育児です。 それについては、「本当に男性がうらやましいことがある」とキンタロー。さんは言います。 「男性のほうがライフスタイルを大幅に変えずに、キャリアを保ったままそのポジションを保つことができるじゃないですか。女性ってやっぱり、妊娠したらお腹が大きくなって見た目も変わるし、休まなきゃならない。 お笑い芸人の男性も特にそうですけど、『結婚してたんだ!』って言われるぐらいライフスタイルをあんまり変えずにやってこれているのに女性芸人はやっぱりそうは言っていられないから、シフトチェンジする人も多いですよね」
子どもがいる、いない、どちらも良さがある
養成所時代に印象に残っていた「芸能界は椅子取りゲーム」という言葉もある中で、キンタロー。さんも出産、育児には葛藤があったと言います。 「本当に子どもが好きだから早く欲しかったんですけど、40手前ということもあって、葛藤がありました。妊娠・出産をすると絶対に休憩しなきゃいけない時期が来るから。 仕事を休んでしまったら、自分のキャリアはどうなってしまうのだろうという不安がありました。ですが、それ以上に母になるということを味わってみたい、という気持ちがあったんです。母になったらどんな世界があるんだろう、って。自分の両親にも恩返ししたいですし、遺伝子を残していきたい思いもあったので、迷いましたけど、子どもが欲しいという選択になりました」 女性も、今はさまざまな選択をする人がいます。その中でどうしても、別の誰かの人生を見て、たらればを考えてしまうことも。 キンタロー。さんは、キャリアを中断することなく、積み重ねていっている女性に対してはどのような思いを抱かれているのか聞いてみると……。 「自分が40手前までどちらかというとそっち側だったので、割と親近感があるというか。子どもはいるんですけど、マインドはそっちの方が近いですね。 でも、どちらの未来も存在するし、そこにはまだ見ぬ経験していない、出会っていないものがあると思います。 どんな未来を選びますか。どんな人生をあなたは歩んでいきたいですかというところだと思うんです。 私の場合は、両親が早く亡くなったので、還元していきたいという思いがちょっと強かったですね。両親がまだ生きてたら、もしかしたら結婚していなかったかもしれない。両親の死が自分の中では大きかったですね。両親が亡くなってから子供が欲しいって思うようになりましたし。だから、いろんな要因で、人が選択するきっかけが変わってくるかな、と思います」