新型コロナで政府が「渡航中止勧告」 レベル3への引き上げが意味すること
欧米、中東など、日本を含む世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。日本から海外へ渡航し、帰国後に感染が確認されるケースが出てきています。外務省は感染に注意が必要である国や地域に在住する、あるいは旅行する予定のある国民に対し「渡航中止勧告(レベル3)」などを出して注意を呼び掛けています。「感染症危険情報」と呼ばれるこの海外の安全情報。どのように決められるのでしょうか? また、強制力はあるのでしょうか?
渡航・滞在の目安「4つのレベル」
外務省のHPには感染症危険情報について、「新型インフルエンザ等危険度の高い感染症に関し、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域について発出される海外安全情報」と書かれています。レベルは危険度に応じて4段階あり、どのレベルにするかは(1)世界保健機関(WHO)など国際機関の対応(2)発生国・地域の流行状況(3)主要国の対応――などを「総合的に勘案して」判断するそうです。ただ、これらはあくまで海外地域での安全対策の目安であり、渡航や滞在を制限する強制力はないと記されています。 「4段階のレベル」は次のように定義されています。
(レベル1)=「十分注意してください」 (レベル2)=「不要不急の渡航は止めてください」 (レベル3)=「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」 (レベル4)=「避難してください。渡航は止めてください(退避勧告)」
海外の国や地域に対する感染症危険情報の最新状況を知りたい人は、外務省のHPへアクセスすることでレベル別に色分けされた地図を見ることができます。3月30日時点の地図を見ると、スペイン、フランス、イタリアなどがレベル3に、英国、ポーランド、ルーマニアなどがレベル2になっていることが分かります。
治安勘案した「危険情報」も
外務省は、海外の特定の国・地域に対して「危険情報」も出しています。こちらは、「治安情勢を総合的に判断した上で発出」するものです。具体的には、(1)政情不安(2)暴動(3)内戦(4)テロ(5)一般犯罪(6)自然災害――などの状況を勘案し、日本人が渡航・滞在する場合の安全対策の目安を示すものだとされています。 レベルは、感染症危険情報と同じ分類で4つのレベルに分かれています。同省は3月25日、「渡航先の国・地域において行動制限を受けたり、出国が困難となる事態を防ぐため」として、全世界を一律に「レベル2」としました。