ベテランも意外と知らない「マネタリーベース」の重大影響
マネタリーベースは日本銀行が行う金融緩和の度合いを示す指標だ(撮影:尾形文繁)
テレビでもおなじみ、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、永濱利廣さんが「ニュースでよく見る経済統計」をわかりやすく解説するコラムです(原則隔週配信)今回は「マネタリーベース」と「マネーストック」の2つの指標を解説していきます。まず「マネタリーベース」とは、言ってしまえば世の中にあるお金の量のことです。少し専門的に言えば日本銀行による通貨供給量という意味で、現金と日銀の当座預金残高(銀行などが日銀に預けているお金)の合計になります。毎月のデータは翌月の第2営業日に発表されます。 マネタリーベースは一定ではありません。日銀が国債や手形などを銀行などの金融機関と売買して預金残高を操作し、供給量を調節しているからです。世の中にあるお金の量を増やすことをいわゆる金融緩和と言っており、マネタリーベースは金融緩和が実際にどの程度行われているかを確認できる代表的な指標です。 マネタリーベースがなぜ重要なのか。それは少し歴史を振り返るとわかります。
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永濱 利廣