兵庫・たつの市の女児殺人未遂容疑 別事件の受刑者を7日に逮捕へ
兵庫県加古川市で2007年10月、小学2年の女児(当時7歳)が殺害された事件で、別の女児殺害事件で無期懲役が確定して服役中の男性受刑者(45)が、兵庫県警の任意の聴取に殺害への関与をほのめかす供述をしていることが、捜査関係者への取材で明らかになった。男性はこの約1年前、兵庫県たつの市で女児が刺されて重傷を負った事件に関わったことも示唆しているという。 【図解で分かる】一連の事件を巡る経緯 県警はたつの市の事件について、7日に男性を殺人未遂容疑で逮捕する方針を固めた。連続女児殺傷事件に発展する可能性が高まった。 男性は岡山県津山市で04年9月、小学3年の女児(当時9歳)を刃物で胸などを刺して殺害したとして、14年後に岡山県警に逮捕された。1審・岡山地裁判決が無期懲役とし、23年9月に最高裁で確定した。 加古川市の事件は、07年10月16日午後6時ごろに発生。鵜瀬(うのせ)柚希(ゆずき)さんが胸などを刺されて死亡した。帰宅した際、自宅裏に自転車を止めて玄関に戻るまでのわずかな時間で刺された可能性が高い。鵜瀬さんは襲ってきた相手について救急搬送中に「おとなの人」「男」と話していた。 一方、たつの市で起きた事件では06年9月28日午後6時20分ごろ、学習塾前の路上で9歳だった小学4年の女児が胸などを刺され、臓器に傷が達する重傷を負った。県警の捜査で近くの防犯カメラには、リュックサックを背負った不審な人物が映っていたことが明らかになっている。 捜査関係者によると、いずれの事件も目撃証言や物的証拠が乏しく、容疑者につながる有力な情報がなかった。15年以上にわたり多くの警察官を動員して捜査を進める中で、女児を標的として刃物を使う手口などから男性が関わった疑いが浮上した。 県警が服役中の男性に任意で聴取したところ、加古川、たつの両市の事件への関与を認める供述をしたことが明らかになった。供述の裏付けを慎重に進めてきた県警は、たつの市で女児を襲った疑いが強まったとして逮捕する方針だ。動機や経緯を詳しく調べ、両事件の全容解明を目指す。 鵜瀬さんが通っていた小学校のPTA会長を務めていた本山政幸さん(55)は事件後、子供たちの安全確保に力を注いできた。SNS(ネット交流サービス)で事件に関する情報発信も続けており、「真相が究明されて解決に向かってほしい」と話した。【柴山雄太、木山友里亜、面川美栄】