【デーブ大久保コラム】阪神は絶対に力があります。結果を気にせず『超積極的』に!
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 過信、慢心などはまったくしていないと思いますよ。先週末でシーズンが開幕してからすべての球団とのひと周り目の対戦が終わりました。その中で、多くの野球解説者が優勝予想に挙げていた阪神が借金「2」で苦しんでいます。打線がなかなか機能しない中で、先述のような言葉が出てくるかもしれませんが、今の選手たちにはそういう気持ちは一切ないと思っています。 【選手データ】大山悠輔 プロフィール・通算成績・試合速報 デーブ調べでは、この春のキャンプを視察した多くのスコアラー陣が「阪神は抜けている」ということを言っていました。投手力を中心に実力は本当にあるんです。それでもなかなか勝てないのは、やはり相手チームの対策とともに「今年こそは絶対に阪神に独走させない」という各選手たちの心の強さが出ているのだと思います。 最下位のチームでも「絶対に負けない」という気持ちが選手全員に宿ると、首位のチームでもかなり厳しい戦いを強いられます。よく優勝直前のチームが最下位チームに負けてしまうことがあるじゃないですか。あれも「目の前で優勝させない」という気持ちが一つになるから。それこそがプロでもあるのですが……。そういう中で戦うので連覇は難しいですし、連覇するチームは本当に強いんです。 さて阪神ですが、中軸の打率が軒並み1割~2割台前半です。打点も少ないです。なかなか打線として機能していないですよね。試合を見ていると振り遅れてファウルの場面が多い。これは実は打席の中で「超消極的」な思考で打席に立っている可能性があります。つまり、結果を気にしている、どう打たないといけないかを先に考えてしまっているために、ネガティブな打席となることが多いのです。 昨年、対戦相手としてベンチから見ていて感じたことは、打線全体で積極的な打撃をするなあ、ということでした。だからこそ、こちらの投手も警戒して、コースギリギリに狙っていくことでボールが増えて四球が生まれるという好循環が生まれていたのです。 それが今年は逆のパターンになっているように見えます。相手投手は四球は絶対に出さないぞ、という投球をしてくるはずですから、そこは阪神の打者も結果を恐れず「超積極的」打法で打ってほしいと思います。 周囲、ファンは昨年あれだけ強かったのだから、という大きな期待がありますし、チャンスに点が入らなかったら、これまで以上に落胆のため息が上がると思います。これも選手たちに小さくはないプレッシャーとして降りかかっているかもしれません。しかし、そこは跳ねのけてほしいですね。 まずは7月までは借金3以内に抑えながら戦っていくことが大事です。戦力はあるのですから、必ず連勝はあります。そして勝負は8、9月です。そこまで現在行っている練習を地道にやり続けることが大事になります。この練習がシーズン後半に生きてきます。ファンの皆さん、選手を信じて待っていてください。
週刊ベースボール