米投資銀行のブラック労働の実態、週100時間勤務で「過労死」も
JPモルガンは「週80時間」ルールに
「我々は今年初め、投資銀行事業の顧客に、より効率的にサービスを提供するため、改良したテクノロジー・プラットフォームを試験運用した」と、BofAの広報担当者は述べている。 ■JPモルガンは「週80時間」ルールに ルケナスの死後、JPモルガンで商業銀行と投資銀行の共同CEOを務めるジェニファー・ピープザックは投資家に対し、「従業員の健康と幸福ほど重要なものはない」と語った。ピエプザックは、ルケナスが死去したことについて、 「悲劇的であり、信じられないほど悲しい」と述べた。 ロイター通信によると、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOをはじめとする同社の経営陣は、この問題に対処するために人事部門責任者と面談し、同社独自のワークライフバランスの取り組みを検討し始めたという。 JPモルガンが新たに設定した週80時間の勤務時間制限は、ニューヨーク州の研修医と同じだ。進行中のディールなど、重要な業務には例外が許されるというが、この動きは、金曜日の夕方から土曜日の正午までの休暇や、四半期に1度の週休2日制など、既存の保護措置に基づいている。同社は、今後も銀行業界では一般的である、「自己申告のタイムシートによる勤務時間の管理」を継続するという。 2021年に、ゴールドマン・サックスの1年目アナリスト13人が、自身の労働条件に関する調査結果をスライドデッキにまとめた。この内容がソーシャルメディアで拡散され、彼らが週95時間以上働いていることが明らかになった。 この資料の中で、若手バンカーたちは、午前3時頃から5時間しか睡眠がとれないことに不満を表していた。彼らはまた、職場での虐待を経験し、それが精神面と肉体面に悪影響を及ぼしていると主張した。 これを受け、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは、特別な状況を除いて、金曜日の午後9時から日曜日の午前9時までの勤務を義務付けない「土曜日ルール」を導入すると発表した。 「私を含む経営陣は、この取組みを非常に重視している」と、ソロモンは社員向けのボイスメッセージで述べていた。
Jack Kelly