寺カフェ創業の体験語る 伊賀市の西野さん 起業志す女性ら20人に 三重・松阪
三重県松阪市商工政策課が本年度7回計画している「女性起業家セミナー 女性のためのビジネスプランセミナー」の第3回が30日午前10時から正午まで、同市本町の市産業振興センターであり、伊賀市の忍者ゆかりの寺で「寺カフェ」を開き、昨年度の33FGビジネスプランコンテスト2023で優秀プランに選ばれた西野英美TENITOLL(テニトル)代表(41)が「私の創業体験談~サラリーマンから未経験創業~」と題して話した。松阪市で起業を志す女性、既に起業している女性ら約20人が参加した。 西野さんは伊賀市の寺に生まれ、名張市の印刷会社で働いていた時に同僚と結婚、13年前に住職を務めていた伯父の引退に伴い、夫が住職となった。寺は忍者ゆかりの西念寺で、消しゴムはんこで「アート御朱印」を作ったりして発信してきた。 昨年、「伊賀市初! 三大忍者ゆかりの寺院で『寺カフェ西念寺』事業」と銘打って同コンテストに応募して見事入賞、10万円の賞金を獲得し、さまざまな補助金も活用して、今年3月に「寺カフェ西念寺」をオープンした。 西野さんは「コロナの流行もあって、お寺もどなたもお参りに来ないということがあった。どんなことでもいいから頑張ろうかなと『自分にできることの棚卸し』をし、絵とパソコンが得意なので、それを生かそうと思った」と振り返る。また「三大忍者ゆかりの寺院として可能性があると思った。寺というハード面を生かし、地域に恩返ししようと『寺カフェ西念寺』にと考えた」と。 創業までのステップとして、まず第一に「創業計画書」を書いてみることを勧めた。創業計画書はさまざまな物がインターネットでダウンロードでき、記入しながら「自分の棚卸し」をするのだという。「補助金も積極的に活用してください。調べれば調べるほど、いろんな補助金があります。創業計画書が書ければ申請できます」 西野さんは地域や社会に貢献することの大切さを強調。「利益と社会貢献のバランスを取ることが大事。お寺なので殺生に抵抗があり、エシカルレザーに着目。静岡県の廃棄茶葉を使ったビーガンレザーのお守りが人気。そういう強みがあると違う」とアドバイスもしていた。 続けて㈱三十三総研コンサルティング部の伊藤綾香サブリーダーコンサルタント(38)が登壇し「事業計画書の作り方~大切なことは『事業を続けていく』こと~」と題し、ビジネスアイデアを事業として続けていくためのポイントを解説した。