大谷翔平、今年も6月を”独壇場”にできる…?「史上最高の5月」から不調の兆しも
アクシデントの影響が…?
その他の5月(2024年は現地時間26日まで)の主な指標は以下のようになる。三振の減少傾向が続く一方、本塁打のペースは昨季までの5月と同水準にある。 ・三振率(K/AB):2021~23平均28.6%、2024年22.5% ・AB/HR(1本塁打に要する打数):2021~23平均13.5、2024年13.3 もっとも、全体では好調に見える5月も前半と後半では様相が異なる。以下に5月の塁打数の推移とともに、5月1~15日、5月16~26日の主要な数字を示す。 塁打数の推移 OPS、打率、得点圏打率とも、16日以降は15日までと比べ半分以下の数字になっている。15日まで5本の本塁打は、5月16~26日は1本に減少した。AB/HR(本塁打1本あたりの打数)に換算すると、前者が8.4、後者が38.0になる。 5月16日は、シンシナティ・レッズ戦で出塁時に牽制球を左太ももに受けるアクシデントがあった日だ。これは、25日のレッズ戦でハンター・グリーン投手から三塁打を打った際の走塁から明らかになった。 このアクシデントが打撃にも影響した可能性は否定できない。投手の攻め方も進化している。上記のグリーン投手は、25日の試合で、高めのフォーシームと内角低めのスプリットを使い分ける投球で大谷選手から2三振を奪っている。
今季も“大谷翔平の月”がやってくる!?
今季は過去の5月にない好成績を残しながら、後半に数字をやや落とした大谷選手。6月以降の成績はどうなるだろうか。 過去の推移をみると、月別に見て成績を残せていない方である5月に比べ、6月の成績は格段に向上しているのだ。 以下、大谷選手の各月のOPSや打率の推移につき、2021年~2023年の平均と2024年(5月は現地時間26日まで)を比較する。
5月のOPSや打率は最低ないしはそれに近い水準にあるのに対し、6月は5月に比べ、OPSは1.43倍、打率は1.37倍の数字を残している。2021~2023年の合計の月別本塁打数は以下のようになっている。最多の6月は5月と比べて55%多く、3年間の総計の27%を占めている。 3~4月:19本 5月:22本 6月:34本 7月:2 3本 8月:18本 9~10月:8本 今季5月の数字と過去の5月~6月の変化を単純に掛け合わせると、6月のOPSは15割近く、打率は4割台後半の驚異的な数字が出てくる。現実にはこの単純計算通りにはいかないだろうが、過去の計算通りなら、今季の6月も期待を持たせられる。 しかし、今季は昨季までとは異なり、チームの勝利への貢献も過去の6月以上に求められるはずだ。そういった環境面の違いも含めて「大谷翔平の月」の躍動を期待したいところだ。 なお、長い目で見れば過去3年は9月以降の数字が落ちている。ただ、この9月の成績低下はいわゆる二刀流での起用による疲労や2023年の故障の影響が大きいと考えられ、DHに専念する今季は様相が変わるだろう。
ベースボールチャンネル編集部