相鉄、西谷―二俣川間で進む「大改造」の裏側 工事現場でいま何を?鶴ケ峰周辺「地下化」プロジェクトの最新状況
相模鉄道の相鉄本線は横浜と海老名を結ぶ。その途中駅、西谷で相鉄新横浜線、二俣川で相鉄いずみ野線が分かれている。 【はじめに写真を見る】相鉄本線鶴ケ峰駅周辺の連続立体交差事業の工事現場「1工区」「2工区」をメディア初取材!将来は「S字カーブ」も駅舎も踏切も地下化ですべて見納めに 新横浜線を介してJR線・東急線と相互直通運転をする。西谷と二俣川両駅の間には、相鉄本線のみを走る列車のほか、本線といずみ野線、JR線・東急線と本線、東急線といずみ野線、それぞれの直通列車が走り、列車本数がとくに多い区間となっている。 ■鶴ケ峰駅周辺の大規模工事 西谷、二俣川両駅の間の途中にあるのが鶴ケ峰駅。一帯は起伏に富んだ地形で、帷子川が同駅付近から横浜港にそそぐまで相鉄本線に沿って流れる。鶴ケ峰駅の北側には駅の近くと思えないほど自然豊かな帷子川親水緑道も整備されている。西谷寄りにある「S字カーブ」は鉄道ファンにとっては有名な撮影スポットのようだ。
【写真】相鉄本線鶴ケ峰駅周辺の連続立体交差事業の工事現場「1工区」と「2工区」。事業完了は2033年度を予定。地下化されると「S字カーブ」も橋上駅舎も踏切もすべて見納めになる。現在は地上を走る西谷―二俣川間の沿線の様子は? 同駅は北口に昔ながらの商店街が広がり、南口に再開発ビル「ココロット鶴ヶ峰」がそびえ建つ。駅の西側に相鉄本線と「水道道」が交わる踏切があるが、列車の往来がとくに多い区間だけに交通渋滞が目立っている。
現在、周辺ではこの水道道を含む10カ所の踏切を取り除く連続立体交差事業の工事が進んでいる。 事業区間は約2.8km。このうち、地上を走る相鉄本線の西谷駅の西側から二俣川駅の東側まで約2.1kmを地下化する計画だ。事業完了は2033年度を予定する。工事は東側から、シールド工法によるトンネルを中心とした「1工区」、鶴ケ峰駅部分の「2工区」、二俣川駅東側の保土ヶ谷バイパス付近の「3工区」と分けて進める。
【写真】線路の下を掘削するシールドマシンの拠点となる「1工区」を詳しく見る 1工区では2026年度以降、シールドマシンを用いて西谷側から1日当たり6~7m、約1年かけてトンネルを掘り進める。シールドトンネルの区間は約1960m。工場で製作するマシンは、分割して現場に搬入し、再度組み立てる。 ■線路の下を掘り進める 地下化工事なので外からは進捗がわかりづらいかもしれないが、相模鉄道施設部建設課の課長代理、水野高希さんと同課の山西雄大さんによると、1工区では2025年度の下期からはシールドマシンの発進に向けた準備をするため、マシンからの騒音を防ぐ巨大な「防音ハウス」が姿を現すという。それに先立ち2025年は地上の線路を支える工事桁の設置作業を進める。