ソロキャンプは怖くない、「親切にしすぎない」と「直感」が大切、ベテランが極意を伝授
入念な下調べと準備に加えて必要なこと、「独りで出かけよう、自分の人生を生きよう」の貴重なヒント
野外のまだ見知らぬ場所へとあなたを誘う自然の呼び声は抗しがたいもの。単独でのキャンプや探検はスリルに満ちあふれ、自己発見や心機一転の機会にもなる。しかし、大自然の中へ独りで入っていくのは、特に女性やマイノリティーなど、屋外で過ごすことに不安を感じる人にとっては恐ろしくもある。 ギャラリー:32年間の孤独、たった一人で島に暮らし続けた「イタリアのロビンソンクルーソー」 写真13点 ソロキャンプをしようと考えると、悪天候や野生動物に対する不安が高まってくる。とはいえ、ソロキャンプほど満足感があり、自分に自信を与えてくれる体験は少ない。 キャンプに行くなら、カラビナを使ってテントの内側でファスナーをロックする、救急セットを持っていく、出発前に友人や家族に野営する場所を知らせておく、そして眠る時はエアホーン(圧縮した空気で警報音を鳴らす道具)やポケットナイフを手が届く所に置いておくなど、ちょっとした知恵を覚えておくと安心だ。 それに加えて、危険な場所でおじけづかない方法、自分の本能を信じる方法、未知への恐怖に打ち勝つ方法などについて、あらかじめ適切なアドバイスを受けておくのもいいだろう。
備えがあれば恐怖を克服できる
「初めてのソロキャンプは、恐怖そのものでした」と、トラベルライターのローレン・ゲイ氏は言う。 「私は黒人女性です。世の中にはさまざまな考えを持ったさまざまな人がおり、どんな出合いがあるか分かりません。でも、私がソロキャンプをする理由は他の旅行をする理由と変わりありません。私は恐怖の中で生きるのではなく、体験をしたいのです」 十分な準備をしないままキャンプに行ってしまった経験もあるゲイ氏だが、初めて独りテントで夜を明かしたときは、自分自身に大きな誇りを感じたという。 「とても穏やかな気持ちでした。自分だけでやり遂げられたという成功体験のおかげで、日常生活の中でも問題に直面したときや、目標を達成したいときに自信を持って対処できるようになりました」と、ゲイ氏は言う。 天気予報を入念に確認すること、日没前に到着すること、火おこし道具を必ず携行することは重要だ。それ以外にも、ゲイ氏は電気などがない環境で落ち着いて過ごすためにちょっとした工夫を行っているという。 たとえばオレオ(クリームを挟んだチョコレートクッキー)を持っていき、焼きマシュマロ(スモア)ならぬ焼きオレオ(スモレオ)を作ったり、日記帳と水彩絵の具を持っていき、心の赴くままに表現したりなどだ。 ソロキャンプが初めての人は、誰もいない自然の中での野営はハードルが高いだろう。米国なら、パークレンジャーや他のキャンパーもいる州立公園などでキャンプすることをゲイ氏はすすめる。 米ヨセミテ国立公園で長年パークレンジャーをしているリジー・クレッチ氏は計画を立てることの重要性を訴える。 「ハイキングやキャンプに出かける前に、下調べをし、自分の能力と限界を知ることが重要です。これは自分自身だけでなく環境を守ることにもつながります」と氏は言う。「ソロキャンプをするのは、すべてを自分でするということです。そのことを心に刻み、十分に準備しなければなりません」