クルド人へのヘイトスピーチ問題で緊急集会 暴力煽る者の正体とは?
差別側プレーヤーは同じ
大橋さんは、昨年11月にトルコ政府が「日本クルド文化協会」とその幹部を「テロ組織支援者」と名指しし、同国内での資産を凍結したことについて「クルド人の状況に対する批判的な意見を述べるだけで『テロリスト』という扱いをされて、不利益な措置を受けるのがトルコの状況だ」と説明した。 温井さんは川口市の人口に占めるクルド人の割合は1%にも満たない事実を説明。支援団体あてに「クルド人はとても暴力的で、市民は安心して暮らせません。なぜ支援しているのでしょうか。やめてください」と書かれた愛知県の消印のある手紙や「差別の何が悪い」と開き直るようなメールが届いていることを紹介。「マイノリティの人の民族性を問題にして、犯罪に結び付けている。マイノリティに対してマジョリティ側が烙印を押す。そのことが差別と偏見を助長している」と指摘した。 安田さんは「SNSでは暴力や殺戮を煽るような投稿が堂々となされている。これは常に外国人に向けられてきた言葉。差別する側のプレーヤーはずっと同じだ。ヘイトスピーチを利用した、メディアに対する卑劣な中傷がある。まともに報じると必ず批判がくる。メディアは批判されると多くの場合、萎縮する。メディアは毅然とした対応をとってほしい。なぜなら、メディアは発言の回路を持たない人のために存在しているからだ」と熱く語った。 集会ではヘイトスピーチ問題に取り組んでいる弁護士から、人種差別撤廃法や実効性をもった反差別条例の制定を求めるアピールもあった。
竪場勝司・ライター