大津、西武台に快勝V
全国の強豪26チームが集うPUMA CUP U-17 in SAKAIは28日大会最終日を実施。大津と西武台による1位決定戦は、MF77中村健之介(新3年)の先制点を皮切りに得点を重ねた大津が3-1で勝利した。 【フォトギャラリー】 大津 vs 西武台 履正社に8-0で圧勝した初戦を含め、大会3日目までの3試合で17得点無失点と他を寄せ付けない勝ち上がりを披露してきた大津だが、この日はタイトルがかかった一戦ということもあり、決して満足の行く立ち上がりではなかった。DFラインでの処理やビルドアップで落ち着きを欠いた場面を西武台のアタッカー陣に狙われ、シュートまで持ち込まれる場面が続く。 「自分たちの課題は試合の入りで、前半から繋ごうとしてしまう。チーム全体で最初は大きくプレーしようと頭に入れながらプレーしようとしていたのですが、西武台にやりたいことをやらせてしまった」。そう振り返るのはMF13嶋本悠大(新3年)で、前半2分にはゴール前を抜け出したFW40泉谷俊(新3年)がシュート。8分にも自陣ゴール前で競り合ったこぼれ球をFW9竹内奏海(新3年)にヒールで落とされ、MF56鈴木洸晴(新3年)にゴールを狙われたが、GK41坊野雄大(新3年)を中心にかろうじて無失点に抑えて、試合を進めていく。 前半半ばからは西武台が守備ラインを下げたことで、大津がボールを持つ時間が増え始める。嶋本とMF47畑拓海(新3年)のダブルボランチに左のMF77中村健之介(新3年)を交えてボールを動かし、右サイドが繰り出すMF44舛井悠悟(3年)の縦突破を演出。相手が外を警戒すれば、中盤からゴール前にクサビを打ち込んで押し込んでいく。 12分には左CKのクリアボールを反対サイドで拾って、中村がクロス。ゴール前のFW9山下景司(新3年)が頭で合わせたが、シュートは枠を捉えることができない。16分には嶋本が山下と縦関係でのワンツーでゴール前への侵入を試みたが、DF5谷口輝(新3年)を中心とした西武台の守備陣に阻まれ、シュートまで持ち込めなかった。 押し込みながら、1点が奪えない時間が続いたが、27分には右サイドの高い位置で西武台のミスを突くとFW35兼松将(新3年)の落としから中村がゴールネットを揺らして大津が先制に成功した。以降も積極的に見せ場を作ったが、追加点は奪えないまま1-0で前半を終えた。 エンドが替わった後半は西武台が押し返す場面が目立ち始まる。後半13分にはMF10石井汰一(新3年)がゴール前に入れた浮き球のパスに竹内が反応したが、タイミングよく坊野が前方に飛び出してシュートを打たせない。18分には中央から右サイドに大きく展開。MF8太田和希(新2年)が中に入れたボールがファーに流れ、FW16緑川梗雅(新3年)に渡ったが、シュートは打ちきれない。 前半のペースが落ちた大津だったが、虎視眈々と追加点を狙っており、26分には嶋本が中盤でボールを奪うと素早くゴール前にスルーパスを入れる。走り込んだのは桝井。「悠大が良い形で奪ってくれて、そこから自分の所にボールが来た。フリーで思っていたよりも前に運べたので、後は冷静にGKを見て決めるだけでした」。そう振り返るように落ち着いて2点目をマークした。 39分にはクリアボールのこぼれ球をFW鈴木洸晴(新3年)に決められ今大会初失点を許したが、試合間際には右CKからMF11曽山瑚白(新3年)が決めて大津が3-1で勝利。「取れるタイトルは全て取らなくてはいけないと思っている。タイトルに対しての意識はとても強く持っています」。桝井の言葉通り、貪欲に頂点を狙う今年の大津がサニックスカップに続く2つ目の優勝を手にした。 (文・写真=森田将義)