THE YELLOW MONKEY、3年半ぶり“ビッグエッグ”ライブ 5万人が歌い踊る一夜限り極上ロック・ショー【ライブレポ】
菊地英昭の幻想的で雄大な演奏から始まった「聖なる海とサンシャイン」で深海のような深い世界にいざなうと、真紅の炎のようなイントロ「BURN」で一気にドームの温度を上げる。さらにライブの定番「ROCK STAR」を続けて披露し、4人のロックスターたちが観客を「調子いいかい?」どころではないテンションに仕上げていった。 どの曲も楽しそうに、そして激しくパフォーマンスしていくメンバーたち。MCで吉井が「ヒーセはね、今日は興奮しすぎて一睡もしてません(笑)。いないだろ、こんな61歳!遠足じゃないんだから(笑)」と紹介すると、うれしそうにおどけるヒーセ。この笑顔が、また東京ドームで見られる幸せを5万人が感じた瞬間だった。 その後も「楽園」「SPARK」と往年の名ナンバーに続けて、5月29日発売の10枚目のニューアルバム『Sparkle X』収録の新曲「ソナタの暗闇」や「天道虫」という最近の曲で“最新のイエモン”もたっぷり見せつけると、国民的大ヒット曲「太陽が燃えている」で長年のファンも新しいファンも大興奮させた。 ここから会場の雰囲気は一変、吉井の喉頭がん発見から治療、根治までを追ったドキュメントが流される。5万人が息を呑んで見守ったVTR直後、東京ドームで演奏されたのは6thアルバム『SICKS』収録の「人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)」。この日で唯一歌詞テロップが流れたこの曲で、イエモンは生きることの意味と大切さを5万人の心に訴えかけた。 演奏が終わって一瞬の静寂が流れると、ドームを包んだのは「SUCK OF LIFE」、そして「LOVE LOVE SHOW」と“人生と愛”を歌うイエモンの最強ロックナンバー。吉井が「お体には気をつけて」と歌う意味を、5万人が明るく受け止めた。そして、「歌詞に『人生の7割は予告編で 残りの命 数えた時に本編が始まる』とありますが、本当にそう思ってこの曲を作りました。皆さんと一緒に『本編』を楽しみたいと思います」と紹介された「ホテルニュートリノ」を奏でたところで、ライブも本編が終了した。