メキシコやカナダ、中国の通貨が下落-トランプ氏の追加関税発言で
(ブルームバーグ): 26日午前の東京外国為替市場でドルが上昇。トランプ次期米大統領が主要貿易相手国への追加関税賦課を明らかにしたことを受けた。
トランプ氏が中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと表明したことを受け、中国のオフショア人民元は対ドルで0.4%下落。メキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課すとも発表し、両国の通貨はそれぞれ1%超下げた。
ストーンXファイナンシャルの為替トレーダー、呉明賾氏は「トランプ氏の関税を巡る危険性により、リスクセンチメントは今のところ、押しつぶされている。ドルは安全資産と見なされ、メキシコ・ペソのような影響を受ける国の通貨は打撃を受けている」と指摘。「これは、今後起こることのほんの一端かもしれない」と述べた。
トランプ氏がソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した内容は、大統領復帰後にトランプ氏の発言がもたらし得る不安定さを初めて想起させるものとなった。トランプ氏が政権1期目にソーシャルメディアに投稿したコメントは、しばしば突発的な相場変動を引き起こし、世界中の投資家の業務や睡眠時間を一変させた。
トランプ氏は25日、中国が合成オピオイドの一種、フェンタニルの密売人に対して死刑を科すという約束を守らなかったと主張し、「麻薬は主にメキシコを経由して、かつてないレベルで米国に流入している」とした。
ナティクシスの米州チーフエコノミスト、ベニート・バーバー氏は「投資家はトランプ氏からの大きな脅威を予想していたが、トランプ氏がメキシコに何かを求める可能性は高く、メキシコ通貨は大きな打撃を受けるはずだ」とコメントした。
原題:Dollar Rallies, Mexican Peso Slumps on Trump’s Tariff Threat(抜粋)
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Ruth Carson, Vinicius Andrade