女子卓球パリ五輪代表争いは最終決戦「史上最高メンバー」伊藤、平野、早田、張本……一番強いのは誰?
「もはや選考過程が選手の成長に追いつけていません」(名門卓球クラブ関係者) ’22年春に始まった卓球女子のパリ五輪選考が最終局面を迎えている。 【パリ五輪代表争い!】一番強いのは誰だ!日本女子卓球 「史上最高メンバー」素顔写真 「今回から世界ランキングではなく、国内を中心とした選考対象大会の成績に応じて国内独自の選考ポイントを付与して、シングルスの代表男女各2名を決める方式としています。安定して上位を勝ち取ることが求められており、国内の大会を盛り上げる目的もあるのだと思います」(スポーツライター・矢内由美子氏) 今回の選考では国際大会以外に23ヵ月間、全15大会に出られた者が有利だ。各大会では1位とそれ以外の加算ポイントの差がほぼなく、一度の優勝だけでは気が抜けない。怪我や調整で大会を1~2回欠場しただけでもライバルにアッという間に差を付けられる長期戦は、選手への負担が大きいと批判を受けてきた。 「実は今回の選考順位には本当の強さが反映されていません。現在、1位の早田ひな選手(23)、2位の平野美宇選手(23)は選考対象の全大会に出場し、確実にポイントを取ってきた。世界ランキングで日本勢最高位の2位になったことがある伊藤美誠(みま)選手(23)は1大会不出場したことで3位に落ちていますが、ポイントは平野選手と互角です」(前出・名門卓球クラブ関係者) 持久走のような選考過程は、来年1月下旬の『天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会』で決着する。メダリストとして出場枠を逃せない平野と伊藤にとってはまさに正念場。団体戦の代表1枠に入り、せめてダブルスで出場したい他の選手らも最後の選考に最高のコンディションで挑むため、観客にとっては選手の本当の実力が見られる場になる。 平野と伊藤の直接対決が注目されるなか、ダークホースとされているのが、弱冠15歳の張本美和だ。 「今年5月には、平野を撃破。11月末には早田も破りました。中国メディアは〈現時点で、中国、日本双方の同じ年齢層の選手の中に対抗できる選手は見当たらない〉と、すでに張本を新たな脅威として捉えています」(スポーツ紙記者) 急成長を遂げる張本は、今追い風の中にあるという。卓球コラムニストの伊藤条太氏が次のように分析する。 「急成長しており、プレーに弱点がない。経験では年上の早田や伊藤、平野に劣りますが、兄の張本智和選手(20)とともに鍛えた強烈なドライブと鉄壁の守備力があるので勝てるんです。また今の張本には、追う者の立場の有利さもある。怖いもの知らずで、ほぼノンプレッシャーで戦っているはずです」 現在トップを独走する早田だが、東京五輪ではリザーブ選手だった。張本同様、彼女にも追う者の有利が働いたようだ。 「早田はパワーもあって駆け引きもできるオールラウンダー。東京五輪では、控えとして出場選手の練習パートナーに徹していました。活躍する同い年の伊藤や平野の背中を見て、覚醒したようですね。今季は一度、張本に負けましたが、実はプレースタイルをさらに変えようとしているとか。特出した武器を仕込んでいる最中なのでしょう。シングルスの出場はほぼ確定ですが、新たなスタイルをものにするために全力で勝ちに来るでしょう」(前出・名門卓球クラブ関係者)