中日・根尾昂 見えてきた開幕一軍と先発 大阪桐蔭の先輩2人が強力バックアップ
大阪桐蔭の大先輩が教えた変化球
「2日の投球内容ですが、暴投が2つ記録されました。この時期はドーム球場でも夕方の時間帯は寒くなるので肩へ負担がかかることもあり、根尾を庇う声も聞かれました。でも同日、ゼロに抑えていたら、立浪監督は開幕一軍の合格点を出していたと思います」(前出・名古屋在住記者) 昨季は1試合も一軍登板のなかった状況を考えると、「開幕一軍」となれば大きな前進である。しかし、根尾自身の捉え方は違うようだ。今季からチームメイトになる大阪桐蔭高校の先輩・中田翔(34)が、興味深い「根尾評」を語っていた。 「ポテンシャルはすごく高いものを持っていると思うんで。後輩だから気にしていたけど、チームメイトになればなおさら」 これは、系列新聞社の企画で、大阪桐蔭高校の大先輩に当たる今中慎二氏(52)との会談で出たもの。会談内では根尾を加えた3人で“OB会”を開いたことも明かしていたが、球団関係者の話を総合すると、根尾は「開幕一軍」「初勝利」程度では満足できない性格なのだという。目標を高く設定することは悪いことではないが、アダになることもある。 「根尾の持ち球は真っ直ぐとスライダー。150キロ強の球速がありますが、根尾はもっと速いボールを投げようとし、かつスライダーもウィニングショットになるまで精度を上げようとしています。どちらか一方を見せ球にするくらいのメンタル的な余裕があればいいんですが…」(前出・関係者) とはいえ、今年の根尾にはカーブという新たな武器も加わった。投げ方は分かっていた。大阪桐蔭時代の公式戦で投げたこともあるが、実戦レベルではないと判断していたのだろう。投手に専念した一昨年のシーズン途中以降も投げていない。だが、今春のキャンプで臨時コーチとして合流した今中氏が「フォロースルーを大きく」と助言すると、根尾のイメージする軌道に変わった。 「2月17日の練習試合ではそのカーブが決まり、DeNA打線を翻弄させました。110キロ台のカーブにタイミングだけでなく、体勢を崩されたバッターもいました」(前出・同) 立浪監督は「今日は良く出来ました」と報道陣の前で根尾を褒め、その1週間後の24日の先発へとつながった。もっとも、この日もストライクかボールかがはっきりと分かる抜け球もあり、根尾自身も「今後の課題」に挙げていた。