【キーマンに直撃!】復活の「ロータリーエンジン開発グループ」、その狙い
2018年4月に解散したロータリエンジン(RE)開発部門が、この2月1日付けで再結成された。新開発の8C型を搭載するMX-30 ロータリーEVが発売され、ジャパンモビリティショー2023では2ローターの搭載を想定するコンセプトカー「アイコニックSP」を披露するなど、REへの期待は高まるばかりだ。でも、なぜ今なのか、そしてその先に見据えるものとは…。新生RE開発グループを束ねるマネージャーに話を聞いた。 【画像】新型ロータリースポーツと思しき「アイコニックSP」を写真で見る 初出/driver 2024年4月号(2024年2月20日発売) ■”解散”したわけではなかった!? ーー 2月1日付けでロータリーエンジン(RE)の開発グループが6年ぶりに再結成されました。 日高:(以前のRE開発部門が)”解散”という言葉になっていますが、われわれとしては解散したというイメージはないんです。REの開発は続けていたので。 ーー REの開発はレシプロエンジンの開発部のなかに入っていましたね。 日高:解散という言葉が出たときは、(8C型の)量産(に向けた)開発にシフトしていました。REの量産がストップしていた11年のうち、最初の何年かは(次世代REの)先行開発でした。その間にマツダではモデルベース開発が進んでいました。 いざロータリーの量産に移ろうとしたときに、ガソリン/ディーゼルのレシプロエンジンの知見を生かして取り組んだほうが、(開発の)効率がとても上がる。もともとガソリンエンジン、ディーゼルエンジンとカッチリ決めた専門部署ではないので、そこにロータリーも入っていて。 実験は機能開発というのをずっとやっているので、その領域に入っていく。設計は設計する各システム設計をしていくので、部品ごとそこに入っていたというだけで、解散という言葉になっていますけど、解散しているイメージではないんです。ロータリーエンジンの開発はしているので。 ーー 8Cの量産開発のタイミングで、レシプロの開発と一緒になった。 日高:そうです。あるグループのなかにチームに入っていったという感じです。ロータリーを専門でやるところもありますが、ロータリーは根幹となる部分が特殊な構造をしてますけれど、それ以外のまわりの補機類はレシプロと同じじゃないですか。そういったところはほかと一緒にやったほうが、はるかに効率がいいので。 われわれが量産化に向けてそっちに入っていっていろんな情報や知見を生かしながら、ロータリーの量産に向けて開発を進めていったという。設計と実験部門、あと今回は発電ユニットになっているので制御する部門。それを全部RE開発グループのなかに残してやるよりも、それぞれの知見を持っているエキスパートのいるところに入っていって、ひとつのいいものを造ると。 ただ、量産開発ばかりしていても先のロータリーが見えないので、一部は先行部門にとどまっているところもありました。ただ規模がすごく小さくなってグループという名前がなくなったので、結果としては解散という言葉につながったと。 ーー ロータリーのエンジニアでレシプロ開発に移った人も? 日高:そういう人もいます。ロータリーの開発規模が小さくなると、やはりほかのニーズのあるところへシフトしていく。ロータリーを量産化する際には逆に人が足りなくなるので、レシプロをやっている人が入ってきて一緒にやっています。