総理が岸田派離脱表明 「打つ手打つ手がすべて遅すぎる」共産・小池書記局長が指摘
給付金でつなぎ、消費税の減税を行うべき
飯田)共産党であれば、どういう手を打ちますか? 小池)いろいろな世論調査を見ても、減税するならば、やはり消費税だと思います。まず給付金でつなぎ、消費税の減税を行う。「消費税の減税は時間が掛かる」と言う人もいますが、消費税を導入した当時は、1988年12月24日に法案を通して、(翌年)4月から導入しているのです。始めたときも年末年始を挟み、そのくらいの間隔で行ったわけですから、本気でやればもっと早く下げられます。年明けの早い段階で、私たちは5%に戻すべきだと思っています。一時的にやろうという方もいますが、それでもいいから緊急に行うべきだと思います。 飯田)一時的に消費税を減税する。 小池)そして、インボイス制度も大変評判が悪いです。複数税率であるためにインボイスを入れるわけですから、5%に揃えて複数税率をなくし、インボイスを廃止する。これがいまの経済対策として最も効果的ではないかと思います。
恒久的な措置を取るのであれば、しっかりと財源を考えるべき
飯田)さすがにこれだけ物価が上がってくると、苦しい人がたくさん出てきています。 同志社大学特別客員教授・兼原信克)私は大学で20歳くらいの生徒に教えているのですが、彼らは減税やばら撒きをまったく評価しません。「全部ツケは自分たちにくる」と思っているわけです。「使う人とお金を返す人は違う。返すのは私たちだ」という感じがあるので、私は消費税を10%上げて、ヨーロッパ並みにする。そうすれば税収が約20兆円入ってくるので、25%にすればトントンになり、約30兆円の赤字が消えていきます。若い子たちはそちらを望んでいると思います。 小池)私も減税だけでいいとは思いません。「財源なしに減税しろ」という立場を我々も取っていません。「国債を発行すればいい」と言う人もいますが、それは違うと思います。もし恒久的な措置を取るのであれば、しっかりと財源を考えるべきです。その点で言えば、法人税の減税が続いており、所得税の最高税率も下げてきたし、金融所得課税、株取引の税率も下げている。「1億円の壁を変える」と岸田総理はおっしゃっていましたが、要するに所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がるという話で、1億円の壁を克服すると言っていたけれど、なぜか1億円ではなく30億円になってしまった。 飯田)向こうにいってしまった。 小池)30億円だと本当に一握りなのです。それらを見直して、しっかりと財源をつくることを合わせて進めるべきだと思います。 飯田)現役世代の可処分所得が減ったというのは、共通の悩みとしてあります。