日本が円買い介入の場合、米国債売却が必要になる可能性も-シティ
(ブルームバーグ): 日本政府・日本銀行が外国為替市場で円買い介入を行う場合、米金融当局が外国の中央銀行向けに整備したリバースレポ(RRP)ファシリティーへの預入資金を単に活用するよりも、保有米国債を売却する必要があるだろうと、シティグループが指摘した。
同ファシリティーに預け入れられた資金は過去3週間に約320億ドル(約4兆8600億円)増えて計3650億ドルと、3カ月ぶりの高水準に達している。連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表したデータで示された。資金流入を受け、日本の通貨当局が市場介入に備えて預け入れを増やしているのではないかとの観測が浮上した。
米FRBファシリティーへの外国中銀預け入れ、3週連続の増加
しかし、ライトソンICAPは同ファシリティーの資金増について、恐らく四半期末とグッドフライデー(聖金曜日)の祝日に伴う3月29日からの連休に絡んだ一時的なものではないかとの見方を示した。
シティグループのストラテジスト、ジェーソン・ウィリアムズ氏は8日のリポートで、日本の通貨当局は2022年の前回介入の際には同ファシリティーに預け入れた資金を使っておらす、「過去10年間にわたり資金の大部分に手を付けていない」と分析。このため、円が対ドルで1ドル=152円を突破し介入実施があれば、「期間が短めの米財務省短期証券(TB)や米国債の一部売却が見込まれる」と指摘した。
日銀など外国の金融当局は、TBや他の証券を保有する代わりに、利子が稼げる同ファシリティーに資金を預けておくことが可能。そこに預けたドルを利用する必要が生じた場合、市場を動揺させずに資金を引き出すことができる。
為替レンジをドル高方向に突破すれば介入あり得る-山崎元財務官
ライトソンのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏も、同ファシリティーは利子を得られる「スウィープ口座」として機能するほか、グッドフライデーで市場休場の際もアクセス可能だったと説明した。