「ようかい体操第一」から10年、俳優・高野洸が目撃した「プロの声優のスゴさ」
福山潤からアドバイスをもらった
ーー高野さんが演じる入道連助は、最初のころは、学級委員でクラスのまとめ役、という存在でしたが、物語がクライマックスに向かうと、キーパーソンとして際立った活躍を見せます。 高野 そうですね。入道については、少しずつバックボーンが明らかになっていくので、みなさん楽しみにしてほしいです。 ーーこれまでは俳優として、繊細な感情表現を“見せ”ていたと思いますが、声優は声だけで表現しなければいけないという違いがあると思います。アフレコ現場での、音響監督さんからの印象的なアドバイスなどはありましたか? 高野 音響監督の藤本たかひろさんはとても優しく、初心者の僕にも寄り添い、言葉を選んでアドバイスしてくれました。たとえば、コメディならではのツッコミのニュアンスや語尾の伸ばし方などの技術的なことや、体の使い方も教えてくださいました。「人は先のことを思い浮かべるとき、左上を見る」など、本当にいろいろなことを教わりました。プロの声優さんたちは、そういったことを網羅して演じていらっしゃって、改めてすごさを感じましたね。 ーーほかの声優さんからのアドバイスもありましたか? 高野 最後に少しだけ、学園長役の福山潤さんからアドバイスをいただきました。難しいセリフがあって、僕が声の出し方を悩んでいたんです。 僕が声を当てていたマイクが低めに設置してあって、「しゃがんでやらなきゃいけないときは、必然的にキツくなるから大変だと思うけど、こうするといいよ」と改善方法をすごくロジカルに優しく教えてくださり、ありがたい時間でした。 ーー学びの多い現場だったんですね。 高野 たった数時間とは思えないくらい、1日中アフレコをしていたくらいの濃い時間の感じ方でした。
有山千春