【高校サッカー選手権】昨年度全国4強の堀越、5-1快勝で2年連続ファイナルへ 5ヶ月ぶり復帰の主将DF竹内利樹人「全員でもう一回、全国に戻っていきたい」
第103回全国高校サッカー選手権東京予選Bブロック準決勝2試合が11月10日、味の素フィールド西が丘で行われた。 【フォトギャラリー】日大豊山 vs 堀越 13時キックオフの第2試合では、日大豊山と対戦した第102回全国高校サッカー選手権4強の堀越が5-1で快勝し、2年連続で決勝に駒を進めた。 先制は堀越。6分、スルーパスを受けたMF18小泉翔汰(3年)がシュート。相手選手に当たったものの、こぼれ球を押し込んだ。10分にはMF6渡辺隼大(3年)がミドルシュートを叩き込み、2点目。25分にFW10三鴨奏太(2年)のパスからMF18小泉が決め、3-0で前半を折り返した。 反撃に出たい日大豊山は後半17分、ロングスローからMF10 葛西由晏(3年)が決め、1点を返したものの、堀越は後半32分、右クロスから、37分には左サイドからの横パスをいずれもFW9千葉慎之助(2年)がゴールネットを揺らし、点差を広げ、ゲームを決めた。途中出場のFW9千葉は「(4点目はMF22 杉村)充樹のクロスに信じて走りました。特長の裏に抜けるプレーでチームに貢献できました」と手ごたえを語った。 日大豊山戦に向けて、2週間をかけ対策を練り、前日まで調整と改善を重ねるなど入念な準備を進めた堀越。5-1のスコアに堀越・佐藤実監督は「前半の点の取り方は選手の特長が良く出たシーンでした。後半の得点も守備をしっかりやろうということで、カウンターを打つ練習をやってきたのでしっかり表現できました」と狙い通りのゲームとなった。さらに指揮官は「とにかく守備のところ。いい守備からいい攻撃が大前提。際(きわ)のところで顔を背けたり、ボールに行けなかったり、イージーな失点は絶対無しにしようとやってきました」と守備の強調が功を奏した。 そして堀越にとって今回の結果とともに嬉しいのは令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2回戦を最後にケガで戦列を離れていた主将のDF2竹内利樹人(3年)が復帰したことだ。後半12分から投入されたDF2竹内は右サイドバックから何度もオーバーラップを見せ、5点目の起点となるなどブランクを感じさせないプレーを見せた。DF2竹内は「(ピッチに立った際)ホントにめちゃめちゃ嬉しかったです。ホントにつらかったのでちょっと泣きそうになりましたが、(その涙は)決勝まで取っておこうと」と語った。とはいえ、まだ完全復帰とはいえない状況。それでも「気持ちだけは100%で行こうと思っていたので、どうにかなりました」と振り返った。 堀越のキャプテンは一般的に考えられるキャプテンとはひと味違う。試合前、ホワイトボードを使った戦術の確認ばかりでなく、交代選手の人選や交代時間まであらかじめ決めるなど、まさにチームの頭脳であり、核となる大きな存在だ。そのキャプテンが不在のなか、キャプテンマークを託したDF13森章博(3年)について、DF2 竹内は「すごく支えてくれ、自分以上の良いプレーを見せてくれました。(決勝まで)連れてきたもらった立場なので、そこは感謝しかないです」と労った。 復帰の一歩を踏み出したDF2竹内。しかし、視線はその先を見据えている。「昨年の選手権、準決勝(近江戦 1-3)で負けたときから国立に戻るため、この1年間、やってきました。日々のミーティングでは会話にもいれながら『もう一回戻ってくるぞ』という気持ちで来ました。集大成として全員でもう一回、全国に戻っていきたいです」と力を込めた。 今回を含め、直近5大会で4度の決勝進出を果たしている堀越。「チームは過渡期というか、強豪と言われるチームに入るのか、それとも、うまいけど良いチームだよねと言われる、その際に来ています。そこをみんなで乗り越えたい」と佐藤監督。 決勝は16日、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で実践学園と相まみえる。 (文・写真=佐藤亮太)