日産社長、下請法違反継続の有無を調査-1週間後めどに結果公表へ
(ブルームバーグ): 日産自動車の内田誠社長は23日、取引先への代金の不当な減額など下請代金支払遅延等防止法(下請法)に違反する行為が認められたとして、公正取引委員会から勧告を受けた後も違反行為が続けられていたかについて調査チームを立ち上げたことを明らかにした。
内田氏は同日の日本自動車工業会副会長としての立場で臨んだ記者会見で、日産が複数の取引先に代金の一方的な減額要請を継続しているとの一部報道を受け、外部の弁護士を含め自身が責任者を務める調査チームで事実確認を行っていると述べた。公取委や経済産業省にも報告をしながら調査を進めており、一週間後をめどに結果を公表する考えを示した。
岸田文雄政権は中小企業が賃上げ原資を確保するには原材料費や労務費、エネルギーコストなどの上昇分を適切に価格転嫁することが重要だとして取り組みを強化しており、公取委は3月に日産に対して勧告を出し、再発防止策の策定などを命じていた。
日産による不当な減額要請が続いているとの報道を受けて、政府や経済界からは懸念の声も一部で上がっている。内田社長は、自身の責任については日産としての会見で明らかにする考えを示した。
一方、自工会は公取委の勧告を受け、取引先との適正取引の推進に向けた新たな方針を発表した。原材料費やエネルギー費については適切なコスト増加分の全額転嫁を目指すほか、労務費については取引先と協議した上で適正に価格転嫁していくという。
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Tsuyoshi Inajima