ゼンデイヤ、テニスシーンはダンススキルで乗り切る『チャレンジャーズ』で挑んだ悪女役
テニス特訓に一苦労
優れたテニス選手役ということで、ゼンデイヤとオコナー、フェイストは、一緒にかなりのトレーニングをしたそうだ。 ゼンデイヤは「幸運なことに、私たちは撮影が始まる前の約6週間、テニスの練習に没頭できました。私はテニスについてまったく何も知らなかったんです。知っていたのは、ビーナスとセリーナ(・ウィリアムズ選手)だけでした(笑)。ボールを打ち始めた時は、(思い切りはずれて)木に当たって、コートの中に入りさえしなかったんです。一度、サーブを返すのがどんな感じか見てみたいから、本気で打ってみてと言ったら、すごい速さで飛んできて、ボールを見ることさえできませんでした。後でレーシック(視力回復手術)をしましたが、当時はまだメガネをかけていたんです」と笑顔。そして、違うアプローチを取らないといけないことに気づいたという。
「ルカを見ると、これらのシーンを作り上げながら、(アクションの)振り付けを始めていました。テニスのシーンのすべてのショットが絵コンテに描かれていたんです。それで、私はダンサーだから、『踊る感じでやってみよう』と思いました。素晴らしいテニスのスタントダブルがいたので、彼女のフットワークや動きを把握し、彼女の鏡のようになりたかったんです。彼女の横にいる自分を録画して、それを見直しました。ある時点で、私はテニス選手にはなれないとわかりましたが、そう見せかけることはできました(笑)」
映画のラストは、パトリックとアートの試合が描かれ、緊迫感みなぎる大きなクライマックスを迎えることになる。グァダニーノ監督は、「僕たちは、何日もドラマの部分をリハーサルして、それから毎日数時間、コートに立っていました。テニスのアクションが、登場人物の間の関係をどのように反映しないといけないかわかっていました。最後の瞬間は、基本的に台詞のないシーンで、観客の誰もが、そこで構築される感情の高まりを明白に理解できないといけませんでした。ラスト10分の撮影には、8日くらいかかったと思います。そしてポストプロダクションでも多くの仕事がありました」と振り返る。