「帽子作りにハマった」朝ドラ俳優の意外な現在地 田中美里「40代はやりたいことであふれてる」
■1日中塗り絵に没頭できるタイプの子でした ── 帽子作りの楽しさって何ですか? 田中さん:生地にミシンをかけるとだんだん形ができてきて、次第に帽子になっていく。それを見て「わぁ!」って思う、あの瞬間が好き。振り返れば、小さいころからものづくりが好きでした。たとえば、塗り絵をしていたとして、みんなが飽きてどこかに遊びに行っても、私はひとりずっと最後まで塗っているようなタイプ(笑)。黙々とひとりで何かに向き合うことが好きだったんだなって、いまさらながら感じています。
それと同時に『ジンノビートシテカッシ』のスタッフとの打ち合わせやディスカッションが私にとって貴重な場になっていて、一緒にものを創る魅力を感じています。両方あるからこそ、バランスがとれている気がします。
■絵、金継ぎ、書道…40代はやりたいことであふれている ── いま帽子作りのほかにハマっているものはありますか? 田中さん:40代になって、絵を習い始めました。あと金継ぎとか、書道とか、いろいろチャレンジしているところです。だからいま、プライベートがすごく楽しくて忙しい(笑)。なかでもいま一番ハマっているのは、『さをり織り』。城みさをさんという方が始めた織物で、いま教室に通っています。さをり織りは色も自由だし、織り目が均一でなくても感性で織っていけて、さをり織りを極めてみたい、それでいつか帽子に生かせたらという気持ちがあって。織り上げた布を切っても大丈夫だと言われるけれど、でも、切るとバラバラになりそうで、ちょっと勇気が必要になるんですよね。もっと慣れたら裁断して、ミシンで縫って、さをり織りの帽子が作れたらいいなと思っています。
── プライベートの充実がまたお仕事にも反映されそうです。 田中さん:そうですね。若いころは芸能界の方と接することが多かったので、プライベートでどこで息を抜けばいいかわからないところがありました。でもいまは、ちょっと悩んだときに違う職業の方と話をすると、「こんな世界もあるんだな」って思えて。知らず知らずのうちにがんじがらめになっていたものが、別の角度から見るといろいろな楽しみがあると、気づかされる。そこからまた、役者の世界を違った角度から見ることができている気がします。