【オーストラリア】スター、カジノ運営に不適格=NSW当局
オーストラリアのカジノ大手スター・エンターテインメント・グループにカジノ運営免許を再度付与するかどうかを決定する適格性調査において、調査を担当するシニアカウンセル(SC)のベル弁護士の補佐官がこのほど、いかなる条件下においても、スターはカジノ運営に不適格だとの見解を明らかにした。同社が適格性を満たせる時期すら見えないと指摘している。 スターは、ニューサウスウェールズ(NSW)州の独立監督機関、NSW独立カジノ委員会(NICC)により2回目の運営適格性調査を受けており、調査を担当するベルSCは、7月末に最終報告書の提出を予定している。 だが、同SCの補佐を務めるコンデ弁護士は22日に行われた公聴会で、「外部の専門マネジャーの監督下に置こうが、その他の要件を強要しようが、現時点でスターはカジノ運営の適格性を満たさない」と一蹴(いっしゅう)した。 NICCは2022年にスターの不正行為を巡って調査を行った結果、同社のカジノ運営は不適格と判断。シドニーのカジノは一時的に免許停止とし、外部マネジャーの運営監督下で組織改善を命じていた。 今回の調査では、顧客の健全性チェックの改ざんや、高リスク顧客の資金確認の不足に加え、元最高財務責任者(CFO)が供述していた320万豪ドル(約3億3,200万円)の損失隠ぺい問題を中心に調査が行われている。