ブリヂストン、国内3工場に投資し能力増強 高インチタイヤ生産強化 2028年までに日産3000本増
ブリヂストンは25日、国内3工場の生産能力増強に約270億円を投資すると発表した。今回の投資により20㌅以上の乗用車用タイヤを中心に高インチタイヤの生産能力を日産約3千本増加する。投資は2025年初めより順次着手し、28年までに完了する予定。同社は高インチタイヤなど付加価値の高い製品に軸足を置いた事業戦略を展開しており、今回の能力増強もその一環となる。 投資対象の工場は、乗用車用高インチタイヤの主要生産拠点である彦根工場(滋賀県彦根市)、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)、栃木工場(栃木県那須塩原市)の3工場で、設備の刷新などを実施する予定。加えてタイヤの基本性能を高める設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の対応も各工場で進め、20㌅以上の乗用車用高インチタイヤの生産を増強していく。投資金額の内訳などは非公開とした。 同社は、26年までの新中期経営計画で高付加価値タイヤ事業のグローバルでの強化を掲げている。26年に乗用車用の高インチ市販プレミアムタイヤの販売本数を23年比で1.4倍に増やす目標を掲げているほか、タイヤの真円度を3割高める技術を世界の工場に導入する計画だ。今回の設備投資もその一環で、「日本のものづくりをグローバルの中核と位置付け、日本のものづくり力の向上とともに、稼ぐ力とグローバルにおける競争力をさらに強化する」としている。