ドイツとフランスの外相がシリア訪問、暫定政権指導者と会談…国交正常化への動きが本格化
【ベルリン=工藤彩香】ドイツのアンナレーナ・ベーアボック外相とフランスのジャンノエル・バロ外相は3日、シリアの首都ダマスカスを訪問し、暫定政権を主導する旧反体制派「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アフマド・アッシャラア氏と会談した。欧州連合(EU)主要国がアサド政権崩壊後に主要閣僚を派遣したのは初めて。国交正常化に本格的に乗り出した。
独仏外務省の発表によると両外相は、女性や宗教的、民族的少数派も政治に参加させる重要性を強調し、平和的な政権移行を促した。シリア国内のイスラム過激派組織「イスラム国」対策や化学兵器の拡散防止など、安全保障上の課題も共有した。
ベーアボック氏は出発前、「シリア国内のプロセスが外部から妨害されないよう尽力する」と報道陣に語った。国民を厳しく弾圧したアサド政権を支援したプーチン露大統領を名指しで批判し、「ロシアがシリアの軍事基地から撤退する時が来た」と話した。