起きたらまずは水を1杯、入浴後は5分以内に保湿を! 簡単にできる“加湿生活24時”
隙あらば、私たちの肌や髪、体のあちこちから潤いを奪おうとする、冬の乾いた空気。それに対抗するにはどんな暮らしを送ればいいのか? おはようからおやすみまで、こんな感じに過ごすと加湿ばっちり、という理想の生活をご提案! 教えてくれたのは、大学で熱環境について研究をしている齊藤雅也さんと医師の日比野佐和子先生です。 加湿、水分補給。そして蒸発をなるべく防止! 寒い冬の季節は、とにかく湿度が低い! そこで何も対策をしなければ、どんどん体から水分が蒸発していき、内側も外側もカラカラに…。実際編集部でもデスクに湿度計を置いてみたところ、湿度の低さにびっくり! これは対策をしなければ、干上がります。 「ただでさえ湿度の低い空気が暖房で暖められることで、さらに湿度が下がる。部屋の中にいるからといって過信せず、常に湿度を意識して暮らしてほしいと思います」 (齊藤さん) 室内の湿度を高めにキープすることは、私たち自身からの、水分の過度な蒸発を防止するので、加湿器を持っている人はスイッチは常時オンがお約束。 「部屋全体をまんべんなく加湿するために、加湿器から出る湿気をエアコンの暖気に乗せ、隅々まで運びたい。エアコンから出る風は加湿器ではなく、加湿器が出す湿った空気に当たる、そんな位置関係がベスト。そのために、加湿器をスツールなどの台に乗せることも考えてみてください」 (齊藤さん) 「自分の近くに水を入れたコップや濡れタオルを置いておくだけでも多少は湿度が上がるので、加湿器を置きにくい環境にいるときにはぜひ実践してほしいです」 (日比野さん) 起きている間は、とにかくこまめに水分補給を。その上で、体内の水分がなるべく蒸発しないように工夫したい。 「保湿成分の高い化粧水や乳液を使った後、油分多めのクリームを塗って肌にフタをしてあげることで、潤いを閉じ込められます」 (日比野さん) ということで、24時間の中で簡単にできる加湿行動をご紹介。できれば全部、難しかったらいくつかでも取り入れてみてください! 加湿生活24時。 このルーティンに加え、常に水分補給を忘れないようにしてね~。 起床 起きたらまずは水を1杯。睡眠中に失った水分を補って。洗顔後には肌触りの良いタオルを。 就寝中も体から水分はどんどん蒸発しているので、起き抜けの体はカラカラ。「なので起きたらすぐに水分補給。常温から少しぬるめの白湯がいいでしょう。また乾燥した肌は敏感なので、洗顔後は肌に優しい天然素材のタオルでいたわりを」 (日比野さん) 朝ごはん 朝ごはんは元気の源、発酵食品と乳酸菌が大切。タンパク質もしっかり摂ろう。 肌の乾燥を防ぐには、毛細血管を活性化させることが大事。ということで、朝ごはんでは腸内環境を整える食材が重要。「発酵食品とタンパク質をメインに、栄養素的にはビタミンB2とB6が重要。納豆でB2、卵でB6を摂るとよいと思います」 (日比野さん) 下着選び 肌を乾燥させる素材はNO。コットンやシルクなど天然素材の下着をチョイス。 乾燥している肌はバリア機能が低下しているので、なるべく摩擦は避けたい。「湿度の低い季節の肌着は摩擦が起こりやすいポリエステルやナイロン系ではなく、コットンやシルクなどの天然素材がおすすめ。肌に優しく、静電気も起こりません」 (日比野さん) メイク 目の周りの保湿は大切! 首など外気に触れる部分にも忘れずに保湿クリームを。 出かける前のメイクはまずはたっぷりの保湿から。「顔の中では特に皮膚が薄い目元の保湿を重点的に。そののちベースメイクをしましょう。また外気に触れる首や胸元は、保湿成分がたっぷり配合されている化粧水&保湿クリームでしっかり保護を」 (日比野さん) 移動中 インフルの季節、マスクは必須。肌との間にガーゼを1枚挟んで、乾燥防止に一役。 湿度の低さからインフルエンザなどのウイルスが増えるこの時期。電車など人の多い空間にいるときはマスクは必須。「顔が乾燥していると、不織布のマスクとの摩擦によって肌が傷むことも。マスクと肌の間に綿ガーゼを1枚挟むのをおすすめします」 (日比野さん) 仕事中 現代のオフィスは乾燥天国、デスク上にも加湿器を。水分補給も忘れずに。 昨今のオフィスは換気が良い上、暖房も効いているので、とにかく湿度が低い! 「USBで稼働する小さなスチーム式加湿器も増えているので、可能であればデスクの上に設置を。自分の周囲の空気の湿度を35%くらいまで上げることはできると思います」 (齊藤さん) 晩ごはん ビタミンB2とB6を豊富に含む豚肉を使った鍋料理で、体内と室内を湿潤に。 朝食同様、腸内環境を整える食材と、ビタミンをたっぷり摂取。「ビタミンB2とB6が豊富な豚肉を使った鍋なら、野菜も一緒に食べられるのでバランスの良い食事ができます。鍋なら蒸気で加湿もできます。魚ならマグロやカツオがおすすめ」 (日比野さん) 入浴 皮脂が抜けすぎないぬるめの湯に浸かり、上がったら5分以内に保湿! 入浴時は、保湿効果のある入浴剤などを使うと良し。そして、上がったら必ず5分以内に保湿をすること! 「入浴5分後から肌の水分保持量が下がるという研究結果もあるので、とにかく上がったらすぐ保湿! のんびりするのは保湿の後です」 (日比野さん) のんびりタイム お部屋でリラックスタイムは、エアコンの風が直接当たらないよう注意。 寝る前のひとときは、エアコンの風が直接体に当たらないように注意して。「温風が当たると、どんなに保湿した肌でも水分はどんどん奪われるので、座る位置にも気を使って。また外側だけでなく、水を飲むことで体内への潤い補給も忘れずに」 (日比野さん) 就寝 肌触りの良いパジャマで、枕元に水を入れたコップを置いて、深い眠りの世界へ…。 質の良い睡眠はいつでも大事。スマホから手を離し、リラックスしてから眠りましょう。「タイマー付き加湿器がある人は稼働させながら寝るといいですが、もしない場合は、1杯の水を近いところに置いて寝るだけで、多少は湿度がキープできます」 (日比野さん) 齊藤雅也さん 札幌市立大学デザイン学部教授 (建築環境学) 。住まいの熱環境と快適性に関する研究をしており、快適な熱環境を創る「住みこなし」の啓発活動も。札幌市円山動物園、甲府市遊亀公園附属動物園で動物の熱環境を改善し、繁殖に繋げるプロジェクトにも関わっている。 日比野佐和子さん 内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。Y’sサイエンスクリニック広尾の統括院長。アンチエイジング医療の第一人者として、テレビや雑誌など、メディアへの登場も多数。著書に『医者が教えるすごい美肌循環』 (アンノーンブックス) など。 ※『anan』2023年12月6日号より。イラスト・タソカレー (by anan編集部)