尹大統領は出頭に応じず 韓国検察特別捜査本部が異例の早期要請、警察と捜査の主導権争う
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に一時宣布した「非常戒厳」を巡り、内乱などの疑いで捜査している検察の特別捜査本部は15日、尹氏に取り調べのための出頭を求めたが、応じなかったと明らかにした。11日に15日午前の出頭を要請していたという。早ければ16日にも再度出頭を要請する方針。 尹氏は14日、国会で弾劾訴追案が可決され、職務停止となった。検察は国会などに軍部隊を投入させた戒厳を巡り、既に実行の中心人物とされる金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相や軍の司令官を逮捕。尹氏を首謀者とみており、異例の早期の出頭要請により捜査の加速を印象づけた。 戒厳について検察とは別に捜査している警察の特別捜査団は15日、戒厳当夜の中央選挙管理委員会への兵力投入を指示したなどとして、別の司令官ら2人の身柄を拘束。検察と捜査の主導権を争っている。 特別捜査団は15日、戒厳に計約1500人の兵力が投入されたことが確認されたと発表した。尹氏は12日の国民向け談話で「秩序維持に必要な少数の兵力だけを投入した」と主張していた。