「娘ファースト」「ドライバーさん」「奴隷誓約書」驚愕の親子関係 すすきの殺人・検察側の主張
▼浩子被告は、瑠奈被告から「お嬢さんの時間を無駄にするな。私は奴隷です」「立場をわきまえて無駄なお金を使うな」という趣旨の誓約書を書かされ、奴隷のように扱われても、反論したりせず従っていた。 ▼修被告も瑠奈被告から「ドライバーさん」と呼ばれ、瑠奈被告が望めば、ゲームセンターやクラブなどまで車で送迎し、夜通し遊ぶ瑠奈被告に徹夜で付き合った。 ▼このように家族の中では、瑠奈被告が圧倒的な上位者であり、わがまま放題に振る舞い、両親は奴隷扱いをされても叱ることはせず、「瑠奈被告ファースト」の親子関係が形成されていた。
犯行状況
▼浩子被告は2023年7月3日ごろには、瑠奈被告が自宅に男性の頭部を隠していることを知ったが、7月24日、修被告とともに容認し生活を続けた。 ▼瑠奈被告は浴室で、ビデオ撮影しながら頭部を損壊することを計画。 浩子被告は瑠奈被告から「ビデオカメラで死体損壊作業するところを動画で撮ってほしい」と求められ、実行を容認。 修被告に対してSNSで「撮影カメラマンするでしょ?」などとメッセージを送り、依頼した。 修被告は浩子被告の依頼を応諾し、頭部を損壊する様子をビデオ撮影した。
弁護側の冒頭陳述
弁護側は「警察に通報や娘を出頭させなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもって、ほう助とは言えない」などと浩子被告の無罪を主張しました。 ◇死体遺棄ほう助罪について ▼浩子被告は、瑠奈被告が頭部を自宅浴室に置き続けたことを認識しながら、そのまま生活したことは間違いないが、瑠奈被告が頭部を隠す意思を持っていたとは思ってなく、隠匿を容易にする意思はない。 ▼浩子被告は、瑠奈被告をとがめたり、警察に通報するなどのことはしていないが、頭部を隠す行為を容認するような発言も一切していない。 特に何もしないまま生活を続けたことを、死体遺棄のほう助と評価することは不可能で、犯罪は成立しない。
◇死体損壊ほう助罪について ▼浩子被告は瑠奈被告からビデオ撮影をしながら頭部を損壊する計画を立てているとは聞いておらず、認識していない。 ▼修被告に対しても、抽象的に撮影を依頼した。 ▼瑠奈被告が浴室で頭部を損壊した際、浩子被告はその場にいなかった。 主張が真っ向から対立した今回の裁判。 頭部を自宅に隠すなどした瑠奈被告に、それを容認したとされる浩子被告。 「ほう助」という犯罪が成立するのかが争点となります。