終活を考えるきっかけに エンディングノートを無料配布 鹿児島県奄美市
人生の終わりについて考え、遺産相続や遺品整理の手続きに関する情報をまとめたり、自分の人生観や半生をつづったりする「終活」。老後の不安を解消し、残された家族の負担を減らすことにもつながるため、取り組む人が増えている。鹿児島県奄美市は、市民の関心の高まりを受け、終活に役立てるための冊子「マイエンディングノート」を作成し、希望する市民に無料で配布している。 同市が配布しているエンディングノートはA4サイズ18ページ。項目別に第1~6章で構成しており、1章には名前、電話番号、学歴、職歴、健康状態など自分自身の情報を書き込む。 2章は「もしもの時」。病気の告知や、終末医療の在り方などについて自身の希望。3章は「エンディング」。葬儀の場所や規模、形式、供養の方法などの考えを記入する。 4章以降は、家族など大切な人たちへのメッセージ、不動産や預貯金など財産について記載できる。テーマに沿って書き進めることで、自分自身の思いを整理できるという。遺言書と異なり法的効力はない。 エンディングノートは2023年9月に発行。企業広告を掲載し、ゼロ予算で1400部作成した。市民なら年齢を問わず誰でも、名瀬、住用、笠利3地区の地域包括支援センター窓口で受け取れる。 市高齢者福祉課によると、「一人身だが、葬儀費用はどれくらい残して置けばよいか」といった質問など、「終活」に関する市民からの相談や問い合わせは年々増えている。 担当者は「冊子はこれまでの半生を振り返り、これからの人生をより前向きに生きていくために活用するもの。家族らとも相談しながら記入し、終活について皆さんで考えるきっかけにしてもらえたら」と話した。
奄美の南海日日新聞社