タイ総選挙後も続くデモ…非常事態宣言が出たバンコクの治安は?
現地の人が語るバンコクの今
では、現地の人々はどのような生活を送っているのでしょう? タイ支社で留学生支援のカフェを運営しているウェブマーケティング会社、クリスクの金城弘二郎さんに、現在のバンコクの様子について教えてもらいました。 「非常事態宣言の前後で、治安に大きく変わったところはないように思います。実は、反政府デモ自体はほぼ毎年恒例の出来事。デモ行進が行われている大通りでは、タイ国旗カラーのグッズやフットマッサージの露店が出ているなど、現地の人にとってはある種のお祭りのような一面もありますね」 では、報道されているような危険はないということでしょうか? 「いいえ、もちろん安全には十分気をつけるべきでしょう。バンコク市営テレビチャンネルはデモに関する情報を24時間流しています。人々はそれを見て反政府の集会が行われている場所を事前にチェックし、避けるよう気をつけています。私の周りではFacebookの『バンコク封鎖デモ最新情報』グループで、情報を共有している人が多いですね。よく集会をしているのはアソークやチットロムといったビジネス街でしょうか」
総選挙日の様子は
2月2日は総選挙当日。バンコクの様子はどうだったのでしょうか? 「一部地域で反政府派による投票妨害があったとは聞いていますが、特に選挙前日までと大きく変わったことなどはありませんでした。ただ、前日の夜からお酒が販売禁止になっていました。居酒屋でも、酒類の販売を規制しているところもあったようです」 昨年12月中旬、筆者が1週間ほどバンコクに滞在していた際、カオサン通りやスクンビット通りで集会やデモ行進を目撃しましたが、特に危険に巻き込まれることはありませんでした。ただ、今回の総選挙をめぐり、反政府のデモ隊が突然暴徒化する、あるいはデモ隊を標的とする一団が過激な行動に出るといった可能性はゼロではありません。 これからバンコクに渡航する人は、集会所となる場所の情報を事前に情報を入手し、そこになるべく近づかないようする方が良さそうです。 (中道薫/ノオト)