SNSで話題、Netflixの恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』が映し出す“日常感”
対面する“風”の強さを目の当たりに
見始めたときには「ゲイ」「バイセクシャル」という言葉だけでなぜか別の世界の出来事という気がしていたのに、見終わったときには、それぞれ一人の人間であり同じ世界に存在しているということを心地よく感じさせてくれる。そんな作品になっているのは魅力的な参加者だけではなく、スタジオMC陣の力でもあるのではないだろうか。 2015年東京都渋谷区でパートナーシップ証明書を発行する条例が制定され、近年では100以上の自治体が同様のパートナーシップ制度を導入し始めている。日本にもBoysが生活しやすい環境は整い始めているのかもしれない。 しかし、彼らに対する風当たりはまだ強いのが実情ではないだろうか。そんな中で参加を決めた彼らの想いや決断というものが、回が進むごとに明らかになっていく。育ってきた環境も異なる彼らがこれまで抱えてきた悩みや苦悩を吐露する姿を目の当たりにし、彼らを受け入れる・受け入れないということではない。彼らは実際に存在している。ということを強く思い知った。 たった1か月という時間で彼らが「恋」というテーマを通して自分と向き合う、そしてコーヒートラックを通して世界と向き合う。視聴する前に感じていた違和感はもうない。純粋でひたむきな彼らの姿とそれをただ包み込むでもなく存在する海の景色。なんの躊躇もなくみんなでハグをしあえる関係。ラストのシーンで何気なく繋ぐ手は一体誰と誰なのか。繋がれた手が今後も離さなくていい世界にするためにもぜひご覧いただきたい。
まっつ