玉城千春、原点に回帰 子供たちのため「歌を作りたい」 Kiroro再開はまだ先
「レコード会社の東京のスタジオでプロフェッショナルなスタッフの手で録音したほうがスペシャルな音になることは分かっています。でも、今回は雑でも下手でも不細工でもいいから自分でやり遂げることが目標でした」
キロロで多忙な頃、CDを出すことを目的に周囲から歌作りを求められることが「苦しかった」と振り返る。
2018年にキロロの20周年のコンサートなどを行い、その後、正月休みに家族で旅行をして考えた。
「これから子供たちと私は、どんなふうになっていくのだろう? 自分はどんな歌を歌いたいのだろう? いったん原点に戻り、新たなスタートを切ろう」
キロロとしての活動は休止し、自身を見つめ直してきた。
「今回のアルバムに収めた歌を歌っていきたい。こんな歌を作りたいという新たな思いもある。キロロの再開はまだです」
■母から
13年ぶりにソロアルバムを作ったのは、子供たちとの交流で新しい歌が生まれたことに加え、高校を卒業し海外留学する長男の「お守り」にしたいという気持ちもあったという。
「長男、そして大勢の子供たちのそばにいつもいるよという思いで作ったアルバム。このアルバムが、あるいは収録曲や私の思いが、彼らに寄り添い、お守りになればいいと」
だからタイトルは「WITH YOU」とした。
長男は8月に留学。下には娘が2人。実はアルバムの最後に配置した「Dear My Friends」という歌は、高校2年生の長女がechoという名義で作詞作曲し、ピアノで弾き語りした。
玉城が金城のピアノ伴奏で歌うのがキロロだが、echoは一人で両方をこなす。
「この歌は、彼女が中学を卒業する際に書きました。今回、子供たちの記憶に残るようなアルバムにしたくて、彼女が作った曲も残しておきたかった」
echoは、ミュージシャンになるつもりはないそうだ。
「好きなものをとことん探して、さまざまなことを経験して、その中でまた音楽が生まれるのなら歌を作ればいい。今はそういう時代でもあるし」