「富士山登山鉄道」で山梨県知事と対面 反対派住民「実験台にしないで」
山梨県が検討する「富士山登山鉄道」を巡り、反対派の住民と知事が直接意見を交わしました。 【画像】富士山で構想 次世代型路面電車「LRT」 ふもとから5合目まで
■7万人分の反対署名も提出
13日に山梨県庁にやってきたのは、富士山登山鉄道に反対する地元住民らの代表です。 反対する団体 「富士山を実験台にしないでほしい。これを強く思うところです」 富士山登山鉄道は富士山の麓から5合目まで、現在は「富士スバルライン」がある道路上に、次世代型の路面電車「LRT」を導入する構想です。 車の通行をなくすことで、排気ガスを減らせるほか、完全予約制にして混雑緩和にもつながるといいます。 しかし、事業費は1400億円かかると想定されていて、「反対する会」は先週およそ7万人分の反対署名を県知事に提出しました。こうしたなかで行われた初の対面での意見交換。やり取りは3時間に及びました。 反対する団体 「『6分間隔で走らせる』と。それだけの車両を走らせるとなると、大規模な車両基地が必要になるのは間違いありません。変電所も必ず電車には必要ですから、何カ所も『スバルライン』の途中に新たに建設する必要がある」 これに対し、知事は次のように述べました。 山梨県 長崎幸太郎知事 「『富士山をこれ以上傷つけるな』ということなんですけど、なんら手を加えてはいけないという意見なのか、あるいは程度の問題か。自然に手を付けるなという話は、どこまで許されるのか。しっかり線引きをしなければ、この議論は進まないと思っています」 さらに、議論は費用負担についても及びました。 長崎知事 「LRT構想の何が一番問題だと?遠慮なく言って下さい」 反対する団体 「新たに開発して、その費用が莫大(ばくだい)なことです」 長崎知事 「重要なポイントは公的負担、県民負担の額にあるという理解をしても大丈夫ですか?」 反対する団体 「採算が取れなければ赤字路線となって、県民負担になってしまうのかという懸念がある」 山梨県はこれまで、鉄道会社と投資を分担することで公的負担は小さくなると例示しています。